15年度のグループ戦略を語る

ユニーグループ・ホールディングスの中核事業会社ユニーは、15年度までの3年間で、耐震工事を、建替や改装を絡め32店で実施する。現在までに3分の2の店舗で工事を終えている。16年度からは、店舗戦略の軸足を新設に置き、改装を含めて年間200億円規模の設備投資を見込んでいる。新たに売場面積700坪規模のSM単独出店も計画している。

6つのパターンでドミナント強化
13年度からの3年間で、東南海地震を想定した耐震問題を戦略の柱に掲げている。耐震工事が完了する16年度以降は、店舗戦略の軸足を建替や改装から、新店に置く。
これからの店舗戦略の第1は、アピタを核とする売場面積8000坪前後の中型サーキットモールの開発である。14年度は、「ヴェルサウォーク西尾」(愛知県西尾市)、「ベニバナウォーク桶川」(埼玉県桶川市)を開設した。直営3500坪、テナント4500坪の割合で、強力な専門店を入れて回遊性を高めている。
第2は、ピアゴを中心とする売場面積1万㎡未満の衣食住フルライン型ミニGMSである。第3は、ピアゴのSMを核としたNSC「ラスパ」の展開である。具体的に15年度は、ラスパ太田川(愛知県東海市)、ラスパ白山(石川県白山市)の2店の新設を計画している。第4は、ピアゴのSMを単独で出店することである。プロトタイプは既に決めており、今後の出店はこのタイプが主力になる。
第5は、売場面積300坪未満の都市型高質SM「ラ フーズコア」の展開である。中京地区でも立地が限定されるが、関東では子会社「ピアゴ関東」を中心に展開していく。同社は「ナガイ」の8店を100%子会社化したもので、高質SMに業態転換していく。基本的に中京圏、首都圏の都心では、250坪から300坪の「ラ フーズコア」を出店していく。
第6は、子会社「99イチバ」が展開する小型SM「ミニピアゴ」の展開である。店舗数は83店となったが、最低でも200店舗体制にして黒字転換させる。
16年度以降は年間、GMS2店、SM・ミニGMS5店、HC1店の割合で出店していく。設備投資額は200億円程度を見込んでいる。

マーケティング機能を強化
営業戦略面での課題は、構造的に減少傾向にある客数をいかに増やすかである。そのために、差別化した開発商品を核として売り込み、売上、利益を確保していく。グループで、価格訴求型PB「スタイルワン」に加え、価値訴求型PB「プライムワン」の開発に力を入れている。
プライムワンは250アイテムだが、14年度中に400アイテムまで拡充する。このなかで食パン、飲料、酒などを中心として味やおいしさで差別化した「こだわりの贅沢シリーズ」は、14年度中に60アイテムを発売し、年間100億円の規模にする計画だ。他店を通り過ぎても買い求められるような強力な品質重視型の商品を開発し、店頭で売り込んでいくことが営業戦略の最大の柱になる。
これに加え、「52週MD」により、コトを提案してモノを売り込んでいく。またカード顧客データを活用したお客さま満足度の追求にも力を入れる。
週刊流通ジャーナル 2015年1月1日号より抜粋