イオン(岡田元也社長)は、16年度までの投資配分の見直しを進めている。3カ年で1兆5000億円規模の総額は維持しつつ、15年度以降は国内の新店投資を当初計画より抑え、GMSやSM既存店の活性化に振り分ける。一方、イオンビッグを中核とするDS事業や、まいばすけっとの小型店事業は、新店投資に重点的に配分する。海外事業は投資全体の4分の1を占める当初計画をさらに上積みし、グループの成長エンジンとしてアジアシフトを加速する。
国内への投資は、モールを含む新規出店の抑制により、当初計画より3%ほど削減する。新店投資は計画の10%に相当する500億円ほど削減する一方、既存店投資は12%ほど上積みする。
グループ財務最高責任者の若生信弥専務執行役は、「イオンリテールの既存店が3.8%減となるなか、大規模な活性化を行った店舗は好成績を残している。13年度に実施した15店舗は収益の改善が顕著で、今期の13店舗は平均で売上伸長率が7.1%増となっている。新店を抑制したうえで、効果の高い既存店の活性化を加速する」という。
GMS同様、SM事業も既存店への投資を引き上げる。一方、DS事業や小型店事業のまいばすけっとは、売上が伸長していることから出店ペースを加速する。
現状の投資計画のなかに、マルエツやカスミなどの首都圏SM連合や、ウエルシアHD、ダイエーは含まれていない。これらの再編事業に加え、デジタル・IT、海外事業など、成長分野には積極的に投資していく。海外への投資は、全体の4分の1からさらに15%ほど引き上げる。
日刊流通ジャーナル2015年1月15日号より