
大高社長は、1月末にオープンしたつくば竹園店(茨城県つくば市)を、若い世帯の多い都市型の商圏に対応する新たなテストケースと位置づける。標準スタイルのMDとマネジメントを基に、地域性と従業員の創意工夫を加味するのが同社の個店主義という。
「我々の展開するエリアは、地域によって差が激しい。年齢層も所得もライフスタイルも異なり、人口密度には渓流釣りと釣堀くらいの開きがある。チェーンのフォーマットは1つでも、マーケットの環境が大きく異なるため、顧客満足を得るには各店の創意工夫が欠かせない。自分の店は自分で守るという姿勢がないと、本部の指示だけではうまくいかない」(同)
また、人材を育て、個店ごとの着実な成長を積み重ねるのが企業としての成長であり、従業員の成長が伴わない拡大は膨張と指摘する。
「企業は競争の激化や経営の多角化で崩壊するのではない。人材育成のバランスが崩れ、成長が膨張に陥ることでおかしくなる。重要なことは、利益を出せるフォーマットを持っているかどうかだ。利益が出せない拡大は、成長ではなく膨張だと考えている。東北エリアには人口減など、変えることのできない厳しい環境が待ち構えている。それはどうにもならないとしても、変えられる部分がたくさんある。そこを見極め、個々の技術やマネジメント力を高めていく」(同)
日刊流通ジャーナル2015年2月6日号より