ファミリーマート、ユニーグループ 統合で成長機会の創出へ

ファミリーマート(中山勇社長)とユニーグループ・ホールディングス(佐古則男社長)は、16年9月の経営統合に向け協議を開始する。中山社長は、「新しいGMSやコンビニを提案し、成長機会をつくる」という。サークルKサンクスとの統合による店舗網の拡大だけでなく、ユニーの生鮮・惣菜などのノウハウを取り入れコンビニ機能の進化を目指す。佐古社長は、「購入頻度の高い食品のシェア拡大は重要だ。また、革新性に優れたコンビニの力をGMSに活かしたい」という。
食品シェア拡大を成長の原動力に
経営統合によるシナジーについて、佐古社長は食品市場におけるシェア拡大の効果を挙げる。
「人口減少社会の中で、最寄品である食品のマーケットシェアを高めることは重要だ。規模が社会的、経済的価値に結びつく。コンビニで国内最大級の店舗数となることでスケールメリットを発揮し、GMSでも物流・商流等のシナジーを通じて事業拡大や新たな成長機会の獲得につなげたい」(佐古社長)
統合後のGMS事業は、ビジネスモデルの再構築を目指す。
「GMSは直営1店舗で50億円を売り上げるモデルであり、お客さまの信頼があることは間違いない。ただ、収入・コスト面で課題がある。コンビニは、お客さまのニーズをつかむことに関し、優れた革新性を持つ業態だ。その発想を積極的に取り入れることで、新しいビジネスモデルを構築していく」(佐古社長)
生活者の課題解決の拠点に
中山社長は、統合効果の意義について次のように語っている。
「新たなコンビニ、GMS、SM像を提案することで、国内における成長機会を創出する。要求水準の高い日本の消費者に応えられるモデルを構築できれば、アジアでの可能性も開けてくる。国内最大級の店舗網は、大きな資産だ。これからのコンビニは、生活者の課題を解決する拠点にならなければならない。それには店舗のネットワーク、密度が重要だ。また、店舗数で3位という現状だと、上位にどう追いつくか、差別化するかといった小さな問題意識にとらわれがちだ。今後は、よりレベルの高い視点でチェーンの成長を考えられるようにしたい」
ファミリーマートとサークルKサンクスを合わせた国内店舗数は、2月末で1万7599店となる。ただ、競合関係にある店舗も少なくない。
「店舗与件の見直しを常にやっており、新店のうち2〜3割は既存店の建て替えになるのが普通だ。店舗ネットワークの調整は、契約の更新時などに行う通常の見直しプロセスで対応できる。環境変化に合わせて店を変えることで、加盟店の収益も確実に上がる」(中山社長)
日刊流通ジャーナル2015年3月12日号より抜粋