ファミリーマート(中山勇社長)は、生活者の不便・不満を解消するライフソリューションストアを構想し、物販・サービスで新領域の開拓を進める。異業種とのコラボは新たなライフソリューションを実現する方法のひとつと位置づけ、SMやドラッグストアなどとの共同出店を加速していく。自社の営業戦略は「Fun & Fresh」をテーマに売場・商品改革に取り組む。ベンダー工場を各温度帯に特化するなどの再構築を進め、中食の品質改善や新カテゴリーの創出を目指す。
ライフソリューションストア構想では、商品・サービス領域の拡張によってコンビニ機能の進化を追求していく。既に着手しているコンビニドラッグやコンビニスーパーの取り組みも、物販機能を拡張する取り組みの一環だ。
商品本部長と物流・品質管理本部長を兼任する本多利範専務執行役員は、前期まで新規事業開発本部長として融合店の開発を担当していた。
「コンビニドラッグは、フォーマットとして売上が通常店の1.5〜1.8倍、荒利率31%の目処がついた。管轄を通常の営業組織に移し、出店スピードを上げていく。コンビニスーパーは当初、SMのように生鮮3品をそれぞれ展開していた。そうすると通常のSMと比較され、品揃えが悪いと評価されがちだった。分類を壊してフレッシュ売場としてくくると調子がいい。SMの商品をそのまま持ってきても魅力は出ない。転換する必要があった」(本多専務)
カスミとのSM融合店は現在2店舗で、今期中に10店舗体制を目指す。
サービス領域の拡張では、宅配や金融、介護などさまざまな分野を検討している。電気自動車のカーステーションもその一環で、急速充電設備の導入店は3月末に全国650店となる。
「宅配事業は伸長の余地が大きい。これまで小売は、店舗までお客さまに来ていただくPULL型のビジネスモデルだったが、宅配によって双方向の流れをつくり出す。伸長を続けるEコマースの中でも、医薬品・化粧品の伸びは大きい。当社も早期に医薬品の宅配サービスを始める」(本多専務)
日刊流通ジャーナル2015年3月25日号より抜粋