イズミ(山西泰明社長)は最新のSCや新しい店づくりを参考に、テナントを含め、絶えず既存店の活性化に取り組んでいる。生鮮・惣菜を中心とした食品の強化、少量多品種を切り口とした衣料品の商品構成、価格ラインの見直しなどが奏功し、GMSが低調に推移する中、イズミの14年度の既存店は前年をクリアした。今期も大型店3店の増床改装を行う。6月に、同業他社を含め、最新のMD、店づくりのノウハウを集大成した最大規模のゆめタウン廿日市(広島県廿日市市)を開設する。

14年度の新店は、3つのフォーマットを1店ずつオープンした。小商圏型のゆめマート松橋(熊本県宇城市)、広域型のゆめタウン大江(熊本市)、中商圏型のゆめモール柳川(福岡県柳川市)で、九州地区でのドミナントの深耕を図った。ゆめタウン大江は大店立地法の制約で、テナントは20店程度にとどまった。ゆめモール柳川は下関(山口県下関市)に次ぐ2号店で、ユニクロ、ケーズデンキなどと商業集積を形成する。
15年度は6月、広島県廿日市市に最大規模のゆめタウン廿日市をオープンする。3層モールで約200の専門店を集積する。次いで8月にゆめマート佐賀中央(仮称、佐賀市)、12月にゆめモール筑後(福岡県筑後市)を予定している。14年度に次いで、3フォーマットの出店となる。ゆめマート佐賀中央は、佐賀市の中心部にあり、現在、売上高、営業面積、テナント数で№1のゆめタウン佐賀と一体となって、ドミナントを深耕する役割を担う。ゆめモール筑後は、周辺に、ゆめタウン久留米(福岡県久留米市)、ゆめタウン大川(福岡県大川市)、ゆめタウン八女(佐賀県八女市)があり、筑後エリアをより強固にする。
ゆめタウン廿日市は、2011年のゆめタウン徳島(徳島市)以来の大型店となる。既存のゆめタウンに加え、全国の有力なSCの店づくり、テナント構成などのノウハウを取り入れた新しいフラッグシップストアと位置づけている。ビューティーゾーン、地元FM放送のスタジオ、ペットの大型ショップのほか、複数の中国初のテナントを導入する。
日刊流通ジャーナル2015年3月30日号より抜粋