佐川と業務提携で「SGローソン」を新設へ

ローソン(玉塚元一社長)は7月、佐川急便のSGホールディングス(町田公志社長)との業務提携で、店舗を拠点とした宅配業務を開始する。都内20店舗でスタートし、今期中に100店舗に拡大する。店舗からの宅配業務は、6月に設立する共同事業会社SGローソン(出資比率はローソン51%、SGホールディングス49%)が担う。
ローソンは、今回の提携をオープンプラットフォーム戦略の一環と位置づける。協業によってローソン店舗を拠点としたサービスを拡大し、インフラ機能の強化を目指す。アマゾン ジャパンとの取り組みでは、店頭受取のプロセスを改善したり、店頭での共同販促も行っている。また、物流サービスでは日本郵政との提携も継続し、ゆうパックの取り扱いや郵便ポストの店内設置は従来のままとする。
コンビニ店舗を配送拠点とする仕組みづくりでは、既にセブンーイレブン・ジャパンが食事宅配「セブンミール」で全店に近いレベルのサービスを提供している。セブンーイレブンが加盟店を主体とする配送システムを構築しているのに対し、ローソンが目指す配送システムは、新設する事業会社に委託することで加盟店に配送業務の負担はかからない。ただ、ローソンの計画では17年度で導入店は1000店、19年度も2000店に届かない予定で、全1万2000店をカバーする道筋は示していない。
しかし、宅配事業が採算ベースに乗るかどうかは配送エリアだけで決まるものではなく、配送サービスの仕組みや、ECで取り扱う商品にも関わってくる。
ECなど宅配に関わる商品戦略においても、セブンーイレブン・ジャパンとローソンの戦略は対照的だ。セブンーイレブンがグループ各業態によるオムニチャネルを構想するのに対し、ローソンはオープンプラットフォーム戦略でグループ外との協業を積極的に推進している。
日刊流通ジャーナル2015年4月9日号より抜粋