カウンタードーナツ 店内フライヤー調理で差別化
ローソン(玉塚元一社長)は、カウンターコーヒー「マチカフェ」を軸に買い合わせの各種フードを充実させ、コンビニカフェ需要のさらなる拡大を図る。その一環で、専用什器を使用するカウンタードーナツを7月末までに8000店に導入する。工場から供給するベーシック商品に加え、店内調理で揚げる「ハワイアンドーナツ」やカレーパンで独自性を打ち出す。買い合わせを促進するため、ドーナツはすべて税込100円(カレーパンは120円)とする。

ドーナツカテゴリーの実験は昨年夏に着手し、ベーカリーやデザートコーナー等でもテストしたうえで、カウンター商材としての展開を決定した。先行導入した600店舗強では、平均日販160個ほどで推移している。
専用のカウンター什器を設置し、4月中に2500店に拡大、7月末には8000店まで広げる。その後は狭隘店舗への導入となり、小型什器の開発など異なる方法を検討している。
標準的な品揃えとして、「オールドファッション」や「モッチリングドーナツ」など工場から供給する4品と、店内のフライヤーで揚げる2品の計6品を予定する。商品の改廃は随時行い、店内調理2品で売上構成比3割を見込む。
商品本部長の和田祐一上級執行役員は、店内調理品の展開を差別化ポイントとして重視する。
「ドーナツはコンビニカフェ戦争の次なる一手として重要なカテゴリーだ。専門店で定番となっているメニューだけでなく、ローソンで購入する明確な理由をつくり出すために店内加工のハワイアンドーナツなどを展開する。揚げたての提供でローソンらしさを打ち出す」(和田上級執行役員)
ハワイアンドーナツは揚げドーナツの一種で、ローソンが商品化したプレーンタイプは購入後、好みの量のシュガーを入れ、袋ごとシェイクしてから食べる。第1弾ではこのほか、チョコレートを入れたタイプを商品化した。メニュー改廃でさまざまなハワイアンドーナツを展開するほか、カレーパンもシリーズ化して店内調理品の幅を広げる。カレーパンの価格は税込み120円と設定する。平均日販は1店舗あたり100個を計画している。
カウンタードーナツで先行するセブン—イレブン・ジャパンとの違いは、店内加工品のシリーズ展開と価格設定にある。
ローソンは工場供給・店内調理とも税込100円で統一するのに対し、セブン—イレブンは100円を中心とするが価格帯に幅がある。セブンカフェドーナツは全て工場で製造し、標準6アイテムを1日2便体制で供給する。ローソンは商品によって配達する時間帯が異なり、1アイテムにつき1日1便で供給する。
日刊流通ジャーナル2015年4月24日号より抜粋