ウエルシアホールディングス(水野秀晴社長)が3月に子会社化したタキヤ(石井和正社長)ならびにシミズ薬品(石田伸二社長)との統合作業を開始した。6月中にシステム変更と帳合統一をおこない、調剤を併設する改装もすすめる。静岡を地盤とする旧高田薬局の店舗も改装スピードをさらに上げ、5月中に全130店強をウエルシアモデルに転換する。

イオン子会社だった大阪のタキヤ(78店)と京都のシミズ薬品(57店)を今年3月に連結子会社化し、関西圏の地盤が厚くなった。今後は両社に「ウエルシアモデル」と称する収益モデルを導入しながら、シナジーの創出に全力を挙げる。
6月1日をメドにシステムを移行し、帳合や物流の一元化管理を開始するほか、全店で新POSレジを稼働しTポイントカードを導入する。調剤併設を基本とした改装もおこない、タキヤの併設店は現11店を期末に38店、シミズ薬品は現5店を12店に拡大する。既存店の併設も促進し、期末の調剤併設率は0.5P増の69.8%となる見込みである。
出店はウエルシア薬局100店、タキヤ13店、シミズ薬品1店の計114店を計画する。閉鎖はウエルシア薬局18店、タキヤ1店の計19店で、期末店舗数を1217店とする。このほか中国は出店2、閉鎖1店を計画する。出店はいずれもイオンの現地SC内である。
2016年2月期の連結業績は、売上高4577億円、営業利益157億円、経常利益166億5000万円、当期利益90億円を見込んでいる。中核のウエルシア薬局は2ケタ増益基調だが、タキヤは最終減益、シミズ薬品は営業利益以下が減益となる。今期より物流手数料を販管費から売上原価に変更している。またタキヤとシミズ薬品の業績予想は、棚卸資産評価方法の変更や、システム・POSレジ・販促等の統一にかかる費用を計上している。
CFSのシステム来年3月に移行
今年9月に株式交換でCFSを子会社化するのを前提にこのほど、2018年2月期までの新中期目標を定めた。定量値として店舗数1800店、売上高7000億円、経常利益率4.2%(294億円)以上を目指す。
旧子会社とタキヤ・シミズ薬品は収益モデルを継続注入するほか、在宅調剤や介護領域の開拓もすすめる。管理面では本社・本部の機能集約を急ぐとともに、関西エリアの展開強化に向け営業基盤を整備・確立する。出店は郊外型店舗をウエルシア薬局主導で、都市・小型店をCFS主導で開発する考えだ。
CFSとの統合作業について池野会長は、「CFSは荒利益率、販管費比率とも当社より高い。自動発注ほか異なる仕組みの統一が課題だが、早急な転換は混乱を招くので、まずは互いの情報共有に努め、来年3月をメドにシステムを移行したい」という。
日刊ドラッグストア2015年4月27日号より抜粋