アメリカの主要チェーンストア2014年度決算がほぼ出揃った。ウォルマート(Walmart)は既存店が2期振りに前年をクリアして辛うじて増収増益を確保した。とくに好調だったのはホームデポ(The Home Depot)、CVSヘルス(CVS Health)のドラッグストア部門、そしてダラーツリー(Dollar Tree)で12%前後と高い営業利益率を維持している。これに対してターゲット(Target)、シアーズHD(Sears Holdings)は苦戦している。
スーパーマーケット№1のクローガー(Kroger)は2桁の増収増益で、既存店も堅調に推移している。最大のリージョナルSM、パブリックス(Publix)も好調だ。ホールフーズ(Whole Foods Market)も好調で、フ
ァーマーズマーケットスタイルのスプラウツ ファーマーズマーケット(Sprouts Farmers Market)、ザ フレッシュマーケット(The Fresh Market)も快進撃を続けている。
ドラッグストアも№1のウォルグリーン(Walgreens)は、イギリスのアライアンスブーツ(Alliance Boots)の全株式を取得して経営統合するため、純利益は減益となったが、営業段階までは増収増益を維持している。ドラッグストアと調剤給付管理事業(PBM)を展開するCVSヘルスも好調で、とくにドラッグストア部門の営業利益率は12%を超えている。
ディスカウントストアでは、ウォルマートのほか、ホームインプルーブメントリテイラーの上位2社が好調に業績を伸ばしている。これに対してターゲットは、カナダからの撤退を余儀なくされるなど苦戦している。シアーズも赤字幅が拡大した。
これに対して元気なのはダラーストアで、№2のファミリーダラー(Family Dollar)を4月に買収する№3のダラーツリーは12%以上の営業利益率をこの3年間維持し続けている。№1のダラーゼネラル(Dollar General)も年間700店を新設するなどファミリーダラーの買収失敗を跳ね返して反撃に出ている。
百貨店ではメーシーズ(Macy's)が増収増益と好調だ。
日刊流通ジャーナル2015年4月30日号より