既存店 前年実績をクリアしたのは17社中2社にとどまる
主要ドラッグストアの3月度は、昨年の消費増税前の駆け込み需要の反動で売上を落とした。前年をクリアした企業は、全店ベースが18社中7社(前月比9社減)、既存店ベースが17社中2社(前月比11社減)だった。
増税に伴う駆け込み需要のピークは昨年3月末だったため、月末締めの企業は反動を最も大きく受け、軒並み2ケタ減だった。月末締めのなかでもスギホールディングスとウエルシアホールディングスは、駆け込み需要の影響が少ない調剤の好調でマイナス幅を抑えた。
17社中で既存店がプラスだった企業は、キリン堂ホールディングスと、アインファーマシーズの2社だった。ただキリン堂HDは決算日を2月15日から2月末日にした影響で、3月度(3月1日〜31日)は、14年2月16日〜3月15日との比較になっており、数値上反動の影響が現れるのは4月度となる。
スギHDの既存店は16.8%減(スギ薬局、ジャパンともに16.8%減)だった。調剤が引き続き好調だったほか、値札の付け替えなど増税に伴う作業がなくなり、業務効率が向上した。
ウエルシアHDの既存店は10.6%減だった。月間処方箋枚数は初めて50万枚を突破した。調剤併設店の比率が高い旧ウエルシア関東は、9.0%減と下げ幅が小さかった。旧高田薬局は15.7%減、旧ウエルシア関西は20.4%減だったが、いずれもウエルシアモデルへの改装で閉鎖している店舗が多数あることから、本来の下げ幅は小さかった模様。
CFSコーポレーションの既存店は14.1%減だった。4月は上旬が降雨等の影響を受けたが、下旬は天候の回復で強化している食品や雑貨が伸張し、計画通りに推移している。
アインファーマシーズの既存店は5.1%増だった。このうち調剤薬局を展開する医薬事業は、平日が昨年よりも2日多かったため7.2%増となった。一方の物販事業はインバウンド需要で客単価が上昇したが、駆け込み需要の反動で客数が11.0%減となり、トータルで8.5%減だった。
日刊ドラッグストア 2015年5月1日号より抜粋