既存店 前年実績をクリアしたのは17社中2社にとどまる
サッポロドラッグストアー(富山睦浩社長)の15年2月期決算は、出店コスト増と新卒採用拡大、販促強化により2期連続の経常減益となった。今期も2ケタ出店を継続する中、価格の見直しや化粧品の販売強化、PBのブランド力底上げで荒利を確保し、作業の効率化で経費も削減する。来年2月には食品・雑貨の新物流センターも稼働する予定である。
2015年2月期の連結業績は、売上高が前期比8.5%増の537億6300万円、営業利益が30.5%減の7億0500万円、経常利益が33.8%減の6億6500万円、当期利益が32.7%減の4億1000万円となった。
富山睦浩社長は、「標準化フォーマットが確立され、既存店への水平展開も始まっている。出店を含む戦略投資を回収するまでタイムラグが生じているが、より高く飛ぶための期間と認識している」と総括した。
前期・当期とも2ケタ出店をおこない、売上高は伸長した。PBの売上も伸びたが、増税後の低価格競争で売上総利益率は前期比微増(0.1P増)の23.7%にとどまった。PBは日用品「クレアーレ」の売上高が前期比5割増の6億5000万円、食品中心の「サツドラPB」が3割増の6億9000万円だった。エリアPBを含むPBの売上比率は9.7%となり、荒利益率の維持に寄与した。
一方、出店コストの増加や、将来の出店に備えた新卒採用の拡大、各種販促の強化で販管費比率が0.7P上昇の22.3%となり、収益を圧迫した。販管費は前期比13億円強増え、内訳は人件費が5億円増、不動産費が3億円増、販売促進費が2億円増、水道光熱費を含むその他経費が2億円増となっている。
省令改正で登録販売者が店舗管理者になれる要件が実務経験2年となるのを受け、当期は新卒で86人、この4月も73人を採用した。販促はポイントカードの切り替えや、再来店クーポンの発行を促進した。水道光熱費も北海道電力の値上げの影響で上昇している。
日刊ドラッグストア 2015年5月7日号より抜粋