ミック・ジャパン(貴島浩史社長)は、関西を中心にドラッグストア・調剤薬局を展開している。関東は当面サバイアロムのショップとデイサービスの開発を先行させるが、近い将来はドラッグストアの出店も検討していく。このほど、タイ発のボディケアブランド「サバイアロム(Sabai‐arom)」を冠したショップの4号店を、さいたま新都心の商業施設「コクーンシティ」内に出店した。アジア人の肌質に合うサバイアロムの商品により、欧米のブランドを扱う他のショップと差別化を図っている。

ミック・ジャパンの創業は1974年(昭和49年)で、本部は大阪市淀川区にある。店舗は大阪・兵庫を中心に、ドラッグストア「ドラッグミック」17店、駅ナカ薬局「ミックのくすりばこ」1店、ローソン併設型「ローソン+ドラッグミック」2店、バラエティストア「cosmik」3店、同「bavbase」1店、調剤薬局「ミック調剤薬局」1店を展開している。
2014年には介護事業に本格参入し、「ミック健康の森」の名称でデイサービスを51店運営している。施設の開発エリアは関西、関東、九州まで幅広く、7月には愛知県にも進出する。以後も関東、東海、九州に複数の施設を開設する計画である。
ブランドショップ「サバイアロム」は、2014年10月開設の「ディアモール大阪店」(大阪市北区)が1号店となる。同月に2号店「なんばCITY店」(同中央区)を開設した後、今年2月の3号店「新宿ミロード店」(東京都新宿区)で関東に進出した。今回取材した4号店「コクーンシティ店」に続き、5号店は6月に横浜市内にオープンする予定である。
関東は当面、この「サバイアロム」とデイサービス「ミック健康の森」を中心に店舗網を増やしていくが、近い将来はドラッグストアやバラエティショップの出店も検討するという。

サバイアロムは、タイ人女性が2004年に自国で立ち上げたブランドで、タイ語で「ささやかな幸せ」という意味がある。国内の農家団体から調達した果物や野菜を原料に、ワンランク上のスキンケア、ボディケアの商品を開発・販売している。
タイではウォルグリーン傘下のブーツがサバイアロム商品を販売しているが、アジア圏にブランド名を冠したショップを拡大したいオーナーの意向を受け、ミック・ジャパンが日本での販売権を取得した。
近年は日本もボディケアショップや、ナチュラル志向のスキンケア・ボディケア商品を販売する店舗が増えたが、扱うブランドのほとんどが欧米系で、アジア系の商品はまだ少数派だという。
ターゲットは家族連れの主婦
「コクーンシティ店」は、さいたま新都心の商業施設「コクーン1」(旧大宮カタクラパーク)に隣接して、4月24日に開業した「コクーン2」の1階にある。なおコクーン2はイトーヨーカドーを核店に有力ブランドショップが多数名を連ねており、今秋にはヨドバシカメラを核店とする「コクーン3」も開業する予定である。
売場面積は13.6坪で、内装はタイの市場をイメージしてエスニック調に仕上げた。商品はハンドケア、ヘアケア、ボディケアといったくくりのほか、香り別に商品を集積した「コレクションブース」なども設けてある。サバイアロム事業部の藤井清貴課長は、「上陸して間もないブランドを認知してもらうため、コンセプトや代表商品の紹介、および香りのアピールに重点を置いて売場をつくった」という。
日刊ドラッグストア 2015年5月12日号より抜粋