福島県内の店舗地価下落や閉鎖で特損72億円を計上
カワチ薬品(河内伸二社長)の2015年3月期連結決算は増収だったが、利益率が低い横浜ファーマシーを連結に加えたことや、消費増税の駆け込み需要の反動が長期化し、計画よりも売上が伸びず営業・経常減益だった。さらに福島県の店舗の地価下落の処理や店舗の閉鎖などで72億円強を特別損失に計上し、約46億円の最終赤字となった。今期は店舗のリビルドなどを推し進め採算性の向上を図るほか、仮需反動からの脱却による既存店の改善を見込み、黒字転換を計画する。

3月期連結決算は、売上高が前期比6.4%増の2583億1900万円、営業利益が60.8%減の28億1400万円、経常利益が53.0%減の37億8600万円、当期損失が46億7300万円(前期は20億1500万円の利益)だった。2014年1月に、青森県を中心に店舗展開するドラッグストアチェーンの横浜ファーマシーを子会社化し、売上高の上乗せで増収となった。
売上総利益率は0.7P減の21.0%だった。夏場の天候不順で荒利益率が高い医薬品や化粧品が不振だったほか、カワチ薬品単体よりも利益率が低い横浜ファーマシーを連結した影響が出た。販管費比率は売上高が当初の計画通りに伸びず、1.1P増の19.9%だった。この結果、営業利益率は1.9P減の1.1%、経常利益率は1.8P減の1.5%となった。
特別損失は減損損失67億6500万円を含め72億7000万円にのぼった。減損損失のうち42億6900万円は、福島県の店舗の地価の下落の一括処理の影響、21億7000万円は資産の効率的活用のため店舗閉鎖を見込んだため。
期中は約75億円を投資し、栃木県に3店、長野県、群馬県、茨城県、宮城県に各2店、岩手県、福島県に各1店の計13店舗を開設した。また2店を閉鎖したほか、ドラッグストア9店に調剤薬局を併設した。期末店舗数は、ドラッグストア297店(内、調剤併設82店)、調剤専門薬局4店の計301店となっている。
既存店は、客数の減少が響き6.3%減だった。消費増税の駆け込み需要で15.3%増となった14年4月以降、反動などの影響が長びき、11ヵ月連続でマイナスとなった。横浜ファーマシーの落ち込みが大きく、連結は単体よりも0.4P低い。
商品部門別の売上高は、医薬品、化粧品、雑貨、一般食品の全カテゴリーが伸長した。横浜ファーマシーは食品比率が50%を超えており、全社の食品の比率も1.1P増の46.2%と増加した。
日刊ドラッグストア 2015年5月14日号より抜粋