インバウンド対応など新たな客層の開拓へ
ファミリーマート(中山勇社長)は25日、直営の東京国際フォーラム店(東京都千代田区)に京都府の商材を集積するコーナーを設置した。東京駅や銀座に近接し、外国人観光客も多いことから、インバウンド需要の取り込みなど、新たな客層の開拓につなげる。
同店は総合文化施設、東京国際フォーラムの地下1階に位置する。売場面積53坪のうち1.5坪に食品やあぶらとり紙、ハンカチなど名産品200アイテムのほか、旅行雑誌やクーポン付きのパンフレットなどをまとめて展開し、京都府のアンテナショップの役割を担う。11年4月に地域活性化包括協定を締結し、これまで京都府産の食材を使用した中食の開発や、府内の高校生と商品の共同開発など進めてきた。新たな取り組みで、地域産品を集積したコーナーを常設した。
営業本部長の加藤利夫取締役専務執行役員は、「当社として初めて地域産品コーナーを常設した。新しい生活スタイルを提案するコンビニを目指す取り組みのひとつの実験として、新しいエッセンスを取り入れることができた。当店は1日の平均客数は3500人で、このうち外国人が約100人を占める。観光地として知名度が高い京都府の商材を展開することで、インバウンド需要の取り込みなど、新たな客層の開拓につなげたい」と語った。
商品はファミリーマートと京都府の商工労働観光部が選定し当面、京都府コーナーの平均日販は1万円を目標とする。現状の200アイテムの内訳は、レトルト惣菜や漬物など日配が10アイテム、土産の定番など菓子類が40アイテム、缶詰やお茶などの加工食品が30アイテム、酒類・飲料が20アイテム、あぶらとり紙やハンカチ、風呂敷などの雑貨が100アイテムとなっている。
「京都の商材を目的とするのではなく、日常の中で展開することによって、新しいアンテナショップのスタイルを開拓したい。現在、44の府県と包括協定を締結しており、京都府との取り組みをベースに、拡大を検討していく」(加藤取締役)
日刊流通ジャーナル2015年5月28日号より抜粋