くすりの福太郎 新社長にツルハHD・阿部光伸常務が就任
ツルハホールディングス(HD、堀川政司社長)は25日、子会社くすりの福太郎の薬剤服用歴の不適切管理について、両社連名で厚労省に最終報告をおこなった。
2月9日に設置した「福太郎薬歴問題対策本部」が、2013年3月当時の薬歴記載状況を調査したところ、13年2月末時点で19万8073件の電子薬歴システムへの未入力があった(13年8月末時点でも2万0963件が未入力)。また直近1年間の14年2月から15年1月は、1ヵ月以上の入力遅延が18万5111件、未記載が3万9494件あった。
くすりの福太郎の薬局の現場と調剤執行部は、未記載が発生している状況を把握しながら、調剤報酬を請求していた。
HDは今回の事態の原因に、保険薬局の指定や保険薬剤師の指定を受けていることの自覚の欠如(薬歴の重要性の認識不足を含む)、現場の適切なオペレーション環境の把握の欠如、情報共有と問題解決のための組織機能の崩壊、調剤部本社執行部の閉鎖性、薬剤師の適正配置がなされない状況での出店、HDの指導監督不足を挙げている。
また再発防止策として、くすりの福太郎代表者や調剤執行部、所属薬剤師に対する保険薬局と保険薬剤師の責務についての意識改革(法令順守の徹底教育指導)、薬剤師と調剤事務員のオペレーション上の適正配置、現場環境のモニタリング機能の強化、調剤部の運営体制の刷新(部内での牽制体制と情報の透明性の確保)、HDの調剤監査担当部署の新設、適切な調剤報酬請求のためのシステム整備を策定し、一部はすでに実施している。
HDは電子薬歴システムへの入力が1ヵ月以上遅延しているものは不適切な請求と判断し、13年2月末時点の未入力から、適切に入力したものを除く19万2520件の薬剤服用歴管理指導料7893万3200円と、直近1年間で不適切な請求と判断した22万4605件の薬剤服用歴管理指導料9208万8050円の、合計1億7102億1250円を自主返納する。
今回の事態を受け5月31日付で、ツルハHDの小川久哉取締役専務執行役員は役職を辞任するとともに、くすりの福太郎の代表取締役社長から取締役に降格になる。くすりの福太郎の代表取締役社長には、ツルハHDの阿部光伸常務執行役員兼ツルハタイランド代表取締役社長が就任する。また、ツルハHDに出向している小橋義浩氏が専務取締役に就任する。
日刊ドラッグストア 2015年5月27日号より抜粋