3年後に売上2倍、構成比25%を目指す
日本調剤(三津原博社長)は、ジェネリック医薬品(GE)の製造販売と薬剤師派遣への投資を強化している。2015年3月期は診療報酬・薬価の改定年度だったが、GEの需要増加と薬剤師不足を背景に2ケタ増益を達成した。今期を初年度とする中期経営計画は、医薬品製造販売・薬剤師派遣両事業とも3年後に売上高を約2倍とし、売上構成比を約25%に引き上げる。

2015年3月期連結決算は、売上高が前期比10.0%増の1818億4400万円、営業利益が40.1%増の66億4700万円、経常利益が43.3%増の60億0300万円、当期利益が46.1%増の27億7800万円だった。
売上総利益率は、増収効果などで2.1P増の17.6%だった。販管費比率は、医薬品製造販売事業への先行投資で研究開発費が増加し1.3P増の13.9%となった。この結果、営業利益率は0.8P増の3.7%、経常利益率は0.8P増の3.3%となっている。
事業別に、調剤薬局事業は売上高が1579億9900万円(8.3%増)、営業利益は76億9800万円(0.3%増)だった。14年4月に薬価が引き下げられたが、処方長期化による薬剤料の単価上昇に加え、新店の寄与で増収増益となった。期中は29店を開設、12店を閉鎖し、期末店舗数は511店(物販専業の1店を含む)とした。
後発医薬品調剤体制加算は業界最高水準の93.7%の店舗で算定した。18点の加算1の算定率は10.0%、22点の加算2は83.7%だった。全社のGEの数量比率は、前期に70%台に達した後も伸長し、今年4月は74.4%となった。
三津原社長は「一部の病院が組織的にGE変更不可処方を出し、算定できない店があるのは残念だが、当面の目標として来年3月末までに数量比率を85%に高める」という。
また今年問題になった薬歴未記載と無資格調剤に関し、三津原社長は同社について仕組み上発生しないと断言した。
「当社は1日5〜6万枚の処方箋を処理している。店舗内のコンプライアンスだけでは遵守できないため、コンピュータシステムで法令で定めた手順を遂行しないと、作業を進められないようにした。音声入力システムを全店に導入し作業を軽減するとともに、タイピングが苦手な中高年の薬剤師に配慮した。また、他の薬局チェーンの多くは調剤の作業をする際、バーコードで認証しているが、当社は貸し借りによる不正を防ぐため、静脈認証を採用している。着用着も薬剤師は白、非薬剤師は青とし、無資格者が調剤室にいればすぐに分かる」という。
日刊ドラッグストア 2015年5月28日号より抜粋