セブンゴールド まろやかエール <無濾過>
セブン&アイHD(村田紀敏社長)は15年度、「セブンプレミアム」および「セブンゴールド」で売上高1兆円を目指している。上質ラインの「セブンゴールド」は単品ごとにコンセプトを明確化して開発を進めている。14年度は49アイテムで売上高255億円だった。
セブン−イレブン・ジャパンの鎌田靖取締役常務執行役員商品本部長は、「上質感や専門店の味わいの追求をベースに、明確においしさがわかることを条件とする。カテゴリーによってニーズや嗜好を精査しながら単品ごとに開発するため、ペースをあげることは難しいが、一定の認知を得られるところまで来た」と語った。
「セブンゴールド」は10年度、4アイテムでスタートし、14年度までにデイリー22、酒類・飲料10、加工食品11、アイスクリーム7の計49アイテムを開発した。1品あたりの平均売上高は「セブンプレミアム」の2億8000万円に対し、「セブンゴールド」は1.85倍の5億2000万円だった。
中でも嗜好品カテゴリーは既存商品だけでは取り込めない客層の開拓を目指す。アイスクリームはバー、カップなど形態別に開発している。ビールのプレミアムタイプは、留め型を含めさまざまな取り組みを進めてきた。ヘビーユーザーの嗜好に合わせてコクを重視した商品開発で、コクとキレを追求した「ザ・エクストラ」、コクと旨みを特徴とする「金のビール」など、顕在化しているニーズに対応した。

新たな潜在ニーズの掘り起こしを目指し9日、キリンビールと共同開発した「セブンゴールド まろやかエール<無濾過>」(本体212円)をグループの1万7970店で発売する。
「家庭用のビール類市場は漸減傾向が続いているものの、14年で1兆3600億円規模と魅力的なマーケットであることに変わりない。中でもプレミアムタイプは年々伸長しており、14年はシェアが10.2%となった。生活者の飲用シーンが変化しているととらえ、キリンビールと潜在ニーズの掘り起こしに取り組んできた」(鎌田取締役)
キリンの橋本誠一取締役常務執行役員CSV本部長は、「中・高価格帯の『グランドキリン』や『フレビア』などは、『一番搾り』などのレギュラータイプと比べ20代の構成比が高い。リラックスできることや味わいを楽しめることなど、若年層や女性を中心に従来と異なるニーズを取り込むことによって、カテゴリー活性化のきっかけになる」と語った。
20〜30代を主なターゲットとし、年間売上は大瓶換算で15万ケースを目標とする。「幅広い嗜好の中から新しい価値を提案することで、既存のコクだけではない新しいビールのマーケットを顕在化したい」(鎌田取締役)
日刊流通ジャーナル2015年6月4日号より抜粋