ココカラファインの看板店 500店体制へ
マツモトキヨシホールディングス(松本清雄社長)の2015年3月期連結決算は、消費増税の駆け込み需要の反動や季節品の不振などで減収減益だった。今期は反動からの回復を見込むほか、ポイントカードやLINE、公式アプリを活用した販促やマーケティングおよび、インバウンド対応の強化で増収増益に転換する。3月10日にオープンした「有楽町イトシアプラザ店」(東京都千代田区)を含む外国人観光客特化型店の開設を進め、免税対応店は全店舗の約1割にあたる150店超に増やす。

3月期の連結決算は、売上高が前期比2.0%減の4855億1200万円、営業利益が21.4減の176億3300万円、経常利益が18.3%減の200億3100万円、当期利益が13.0%減の116億1900万円だった。
今期は店舗の収益性強化や、ITの活用をはじめ多様化する顧客にニーズに対応した販促の実施、ビッグデータを活用したマーケティングを進展させた。販促や情報収集のベースとなるポイントカード会員は2123万人(188万人増)、LINE会員1340万人(463万人増)、公式アプリ会員162万人で、合計3625万人となった。
柔軟な出店で125店開設
小売事業の売上高は2.0%減の4674億9200万円だった。14年4月以降と15年2〜3月の駆け込み需要の反動、梅雨の長期化、大型台風の上陸等による季節品の低迷に加え、経済の回復が遅れる地方店舗が伸び悩んだ。
投資額は116億3400万円で、出店は目標を25店上回る125店だった(FC除く)。「ドラッグストアの商圏が小さくなる中、多様なフォーマットが店舗を増やす鍵になる。当社は7坪〜600坪、立地も都心から郊外、駅中まで、ライフスタイルに対応したフォーマットがあり、柔軟な出店を実現した」(広報室・高橋伸治室長)
閉鎖は69店で、店舗数は1490店とした(5頁目表参照)。FCは7店増、2店減の計38店となり、期末の総店舗数は1528店となった。
なお調剤薬局は、収益性向上が見込める併設店を優先的に開設しており、併設薬局は164店、調剤専門店は64店となっている。
昨年10月の免税品目拡大以降、外国人観光客への対応を強化し、免税対応は121店とした。3月10日に外国人観光客特化型1号店の「マツモトキヨシ有楽町イトシアプラザ店」(東京都千代田区)を開設した。
商品部門別は化粧品、雑貨、食品が前年を割り込んだが、医薬品は調剤の伸長と今春の花粉症対策鼻炎薬の好調で1.5%増と前年を上回った。調剤の売上高は13.3%増の344億2800万円で、総売上高に占める構成比を7.1%とした。またPBの「MKカスタマー」は、約300品目増の約2500品目となっている。
日刊ドラッグストア 2015年6月3日号より抜粋