アクシアル リテイリング(原和彦社長)は今期をスタートとする中期3カ年計画で、次世代ロジスティクスの構築に取り組む。統合効果を発揮するためのグループの基盤強化をテーマに、基幹システムの共通化や、フレッセイの新センター開設、生鮮加工や惣菜製造の子会社ローリーの機能拡充などを進める。これらと並行し、フレッセイはMD改革に取り組む。オリジナル商品などの活用を含めたコモディティ商品の価格訴求の強化と提案型の売場づくりの両立を目指す。

13年10月の経営統合後、PBの名称を既存の「原信ナルス」から「アクシアル」へ刷新し、フレッセイへ導入している。14年度はNBの合同商談や販売企画に取り組んだ。これらで3億円の利益改善効果があった。またマネジメントノウハウの共有で、原信ナルスグループが培ってきたTQM(トータル・クオリティ・マネジメント)のフレッセイへの移植を進め、合同研修会・発表会を開催した。
本格的な統合効果を創出するため、中期経営計画で物流やシステムの整備に取り組む。16年秋にフレッセイの新センターを開設すると同時に、基幹システムを共有化する。またフレッセイへの商品供給を見据え、製造子会社の機能を拡充する。
原社長は中期経営計画のねらいについて、次のように語った。
「インフラ整備をチェーンストアとしての成長の基盤と位置づける。旧原信ナルスグループは13年10月に中之島DC(新潟県長岡市)を稼働し、既存の2センターをTCに特化した。これにより、グローサリーは従来の週3日から毎日納品に変更し、原信全店で需要予測型の自動発注化を完了した。今上期中にナルス全店へ導入する。フレッセイは基盤改革の断行を掲げ、3カ年で物流やITを再構築する。センターの自社運営化と、現状はすべて外部委託しているIT関連をグループに取り込むことで収益改善につなげる。あわせて、精肉と鮮魚のPC、惣菜製造、青果の加工、パン・洋菓子製造のローリーへ投資してカミッサリー機能を拡充し、フレッセイへ商品供給できるようにする」
インフラ整備と並行し、フレッセイは新たなMDの確立に取り組む。コモディティ商品の低価格化を追求し、従来の提案型の売場づくりとの両立を図る。フレッセイの社長を兼務する植木威行副社長は、「競合との関係で、提案や上質感の訴求に重点を置いてきたため、価格訴求の面で弱い部分があった。原信ナルスはローリーを活用し、おにぎりやコロッケなどの高頻度商品を一定以上の品質で競争力ある価格で展開する『パワープライス』として戦略的に取り組んでいる。PBやオリジナル商品を活用して価格の打ち出しを強化していく。一例で、テーマ訴求型が中心だったエンドの一部に単品大量陳列を取り入れている。既存店で実験しながら最適なバランスを今期の新店で集大成したい」
日刊流通ジャーナル2015年6月9日号より