東邦ホールディングス(濱田矩男社長)の2015年3月期連結決算は、薬価引き下げの影響に加え、診療報酬改定に伴うジェネリック医薬品(GE)の使用促進で、長期収載品の売上が落ち込み、減収経常減益だった。今期はフィービジネスの拡大のほか、新物流センターの活用による効率化、緊急配送の抑制により、増収2ケタ経常増益を計画する。
3月期連結決算は、売上高が前期比2.3%減の1兆1621億4800万円、営業利益が18.7%減の100億1700万円、経常利益が13.1%減の159億0200万円だった。当期利益は、投資有価証券売却益62億0700万円を含む特別利益64億6200万円を計上し、30.1%増の135億3500万円だった。
14年4月の薬価引き下げに加え、診療報酬改定の影響でジェネリック医薬品(GE)の比率が上昇して減収となった。
「昨年の診療報酬改定は、医療用医薬品のカテゴリーを激しく変化させている。当社の収益源である長期収載品の売上高が20%以上減り、シェアも6.6P減の28.4%に落ち込んだ一方、単価の低いGEが約1割を占めるに至った。今年4月以降も昨年度ほどではないが、長期収載品の比率の低下が続いている」(河野博行副社長)
売上総利益率は、医薬品卸の収益性低下を薬局事業の好調で補い0.32P増の9.15%だった。販管費比率はコールセンターや薬局開設などによる人件費増加や、調剤薬局の薬剤仕入の消費税負担の増加などで0.49P増の8.29%だった。この結果、営業利益率は0.18P減の0.86%、経常利益率は0.17P減の1.37%となった。
4物流センターで225人を削減
事業部門別に、医薬卸売事業(東邦薬品)は売上高1兆1096億3800万円(3.0%減)、営業利益82億7300万円(27.8%減)だった。 コールセンターの集約化と新物流センターの稼働で経費の削減に努めたが、長期収載品の構成比低下などで減収減益だった。
物流センターのTBC阪神(兵庫県伊丹市)とTBC埼玉(埼玉県久喜市)、TBC東京(東京都品川区)、TBC札幌(札幌市白石区)の4センター合計で、人員をピーク時から225人削減した。医薬品卸で先進的なロボットピッキングを導入したTBC埼玉は142人を減らした。
なおTBC大宮は、13年12月のTBC埼玉の稼働に伴い閉鎖していたが、OTCや健康食品、日用品の取引量が増加したため、2月に再稼働した。
日刊ドラッグストア 2015年6月10日号より抜粋