小岩駅南口店(東京都江戸川区) 売場面積551坪

サミット(田尻一社長)は10日、東京都江戸川区に小岩駅南口店を開設した。生鮮各部門で素材を調理する新メニューを商品化し、グローサリーは用途別の売場編集を取り入れた。生鮮素材の店内加工は部門間の連携によって新しい商品を開発するほか、精肉で蒸しメニューを投入した。鮮魚と精肉は焼き、煮込みから蒸しとバリエーションを広げ、今後は揚げメニューも構想しているという。また東中野店(中野区)に続き、売場を案内する専任スタッフを配置した。

小岩駅南口店はJR総武線・小岩駅から南へ200mに位置する。29階建マンションに出店したもので、地階に売場面積551坪を確保した。西小岩店(江戸川区)や本一色店(同)など江戸川区のドミナントを深耕する。なお、1970年に開設した近郊の南小岩店は老朽化にともない閉鎖した。
商圏は1.5㎞内の5万3000世帯・10万5000人を想定している。駅至近で、周辺は単身世帯が5割を超え、60歳以上の構成比が高いことから、小容量商品や簡便・即食型商品の品揃えを充実した。売場を案内する専任スタッフは数値による明確な効果が見えにくいため、配置できる売上規模や損益分岐点を検証する。
1万1300アイテムを取り扱い、新MDの集大成と位置づける東中野店から売場づくりの進化を図った。青果は導入部に生産者がわかる「農家さん家から直送」コーナーを設置した。関東近郊の農家をまとめる仲卸との取り組みで、生産者・アイテム数とも拡大した。壁面は素材を加工する「フルーツ&サラダ」コーナーを展開し、アウトパックのカットサラダや袋野菜を連続させた。主通路に日配の漬物と塩や瓶など漬物関連商材を配置し、マヨネーズ・ドレッシング類は定番棚の青果寄りに陳列した。
鮮魚は「おさかなキッチンコーナー」で新たに開拓した愛媛県宇和島や鹿児島県笠沙などの産直を含めた丸魚で鮮度感をアピールする。店内調理の「煮魚・焼魚」と簡便商品をまとめ、カニミソやイカの塩辛、タコのコンフィなど、上質商品を集積した「シーフードオードブル」をコーナー化した。
精肉は近隣の西小岩店で売上構成比が高いため、4尺でニュージーランド産生ラムをコーナー展開した。牛肉はいわて和牛とオージービーフのアイテム数を広げ、国産牛を絞り込んだ。素材を調理する「グリルキッチン」は12アイテムを展開する。オリジナルの「みつせ鶏」を使用した蒸し鶏と、部門間連携でピーマンの肉詰めを開発した。部門横断のプロジェクトチームが料理研究家と連携してメニュー開発を進めたことで、商品改廃が活発化して好調に推移しているという。従来の焼き、煮込み調理だけにとどまらず、今回蒸しを取り入れ、揚げメニューを検討している。
日刊流通ジャーナル2015年6月15日号より抜粋