25日改装のフードスクエア水戸見川店で実験
カスミ(藤田元宏社長)は25日、水戸市内のフードスクエア水戸見川店を改装する。2000年にオープンした491坪の店舗を活性化するもので、実験的な取り組みとして和日配売場を改革する。売場編集の詳細は決定していないものの、藤田社長は和日配に関し、売場も商品も考え方から変える必要があるという。「和日配は業界全体で安くつくることに集中し過ぎだった。利益部門だから売場は広がり、商品としても売場としても、お客さまのためになっているのか疑問がある。従来の商品分類を壊し、異なるくくりで売場を作ったらどうなるかを試したい」(藤田社長)

和日配はアイテム数、売場尺数とも削減する方針だ。水戸見川店で実験し、成功事例を他店にも広げていく。現状でも利益部門である和日配を改革する理由として、顧客視点のMDになっていないことを指摘する。
「和日配の売場は明確な理由もなく広がり、適度な商品入れ替えによって利益率をキープすることに終始している。広がった売場に商品以外の演出物を置いて、陳列量をコントロールしていることもある。演出のために電気代をかけても利益が出るからやるのだろうけど、お客さまにとっていい売場とは思えない。ロスがないわけでもなく、尺あたりの利益率を計算しても、和日配にこれほどの売場が必要かと思う」(藤田社長)
水戸見川店の日配売場が最終的にどんなかたちになるかは決定していないが、藤田社長はアイテムを2割は削るよう指示したという。
「売場を縮めたなかで、利益率を下げてもいいから、荒利高は伸ばす。そんな売場にチャレンジする。従来の商品分類のままではダメだと思う。納豆、豆腐、漬物といった分類の中に、用途の異なる商品が混在している。従来の分類を壊し、食シーンとか用途とかで売場を作り直したときに、どうなるかを試したい」(同)
売場づくりだけでなく、商品開発も考え方を変える必要があるという。展開エリアごとに地域ニーズに合った取引先を開拓することはもちろん、メーカーとの協力関係も見直し、消費者ニーズに合った商品の育成を目指す。
「和日配は、安くつくることに集中し過ぎた。お客さまが求めているのは安さだけじゃない。和日配にオーガニック商品を入れようと考えたとき、トレーサビリティのしっかりした商品は見つかったものの、供給量が少な過ぎて取り扱えなかった。こうした商品と消費者をつなぐ役割は、SMが頑張らなければどこまでいっても八方塞がりのままだ。売場ではもっと商品価値を伝えなければならない。和日配の売場はドライグローサリーのようになっている。本来は、生鮮売場のようでなければならない」(同)
日刊流通ジャーナル2015年6月18日号より抜粋