ツルハホールディングス(堀川政司社長)の5月期決算は、子会社・ハーティウォンツ(木嶋敬介社長)の通期業績を加え2ケタ増収増益となり、過去最高益を更新した。先頃提携したレデイ薬局は11月中旬に子会社となり、以後はスケールメリットを享受して収益性を高める。次期の両社合算の事業規模は5000億円を超えると予想される。
ハーティウォンツの連結が寄与
5月期の連結決算は、売上高が前期比13.4%増の4404億2700万円、営業利益が11.6%増の269億0500万円、経常利益が10.5%増の279億8500万円となった。当期新店と前期新店の通年寄与、さらに一昨年12月に子会社化したハーティウォンツの通期業績(前期は4.5ヵ月)を加え、2期連続の2ケタ増収を実現した。
子会社・くすりの福太郎で発覚した薬歴未記載問題を受け、薬剤服用管理指導料1億7100万円を自主返納して営業外費用に計上したが、ウエルシアHDの株式売却益22億5500万円を特別利益に計上するなどで、最終利益は18.2%増の172億1000万円となった。
ハーティウォンツを除く既存店は、増税特需の反動と夏場の季節品の不振で0.5%減だった。11月以降は反動の影響から脱しており、下期は0.9%増とプラスに転じている。エリア別の既存店は北海道2.5%減、東北1.1%減、関東・甲信1.0%増、中部・関西19.0%増、中国・四国・九州0.6%減となっている。
調剤報酬額444億6700万円に
商品部門別の売上高で全体の伸び(13.4%増)を上回ったのは、医薬品(14.7%増)、育児用品(22.5%増)、その他(16.0%増)の3部門。医薬品の内訳はOTCが11.9%増、調剤が19.1%増で、調剤比率の高いハーティウォンツが貢献している。また育児用品はインバウンド需要、その他は食品強化の改装効果で好調だった。化粧品はトータル11.6%増で、内訳は制度化粧品7.7%増、一般化粧品18.3%増となっている。
調剤報酬額は444億6700万円で、総売上高に占める割合は10.1%となった。ハーティウォンツの薬局が大型病院前に多いため、処方箋の平均単価は479円増の9508円となった。なお薬局の開局は41店、閉局は8店で、計325店体制としている。
PBは売上高460億5500万円(7.8%増)、荒利益194億8700万円(8.1%増)だった。中でもSBのエムズワンとメディスワンは売上高281億4300万円(12.9%増)、荒利益99億4300万円(23.7%増)と堅調で、特に医薬品のメディスワンのアイテム増加が利益の増加に直結した。
投資額は過去最多の103億9200万円だった。出店は100店、事業譲受は5店、閉鎖は34店で、FC1店を除く国内の期末店舗数は1383店となった。期中の新店には3月1日に仙台市に出店したローソンとの共同店舗を含む。このほか、タイ国は出店13店、閉店5店で期末店舗数を23店とした。
食品強化の改装は100店で実施した。改装のモデル店は来店頻度の上昇で食品の売上高が倍増、非食品も数100万円の押し上げ効果を出した。またインバウンドに対応した免税店は直近で212店に拡大した。免税店適用店舗の売上高は4月に合計約7億円を計上するなど好調が続く。
日刊ドラッグストア2015年6月22日号より抜粋