主要ドラッグストアの5月度は、昨年の消費増税後の落ち込みから回復し、好天と気温上昇による夏物商材の伸長で好調だった。前年をクリアした企業は、全店ベースでは全18社(前月比4社増)、既存店ベースは17社中16社(同3社増)だった。6月度は気温の低下などで季節商材は伸び悩んだが、昨年の反動増に加え、梅雨入りが比較的遅かったことや、インバウンド需要による底上げなどで堅調な着地を見込む企業が多い。
5月度の既存店は、15日締めと20日締めの企業がプラスに転換し、コスモス薬品を除く16社がクリアした。
昨年は落ち込んだ高級化粧品、ビタミン剤や発毛剤などの高単価のOTCが回復したほか、東日本を中心に記録的な暑さとなり、日焼け止めや制汗剤・デオドラント剤、殺虫剤、虫刺され薬、飲料などの夏物商材が好調だった。
スギHDの既存店は12.8%増だった。スギ薬局事業は、紫外線対策用のスキンケア化粧品類や、殺虫剤・虫よけ剤などの日用品の好調に加え、都市部の免税対応店舗で訪日観光客の買上げが上乗せし13.4%増だった。ディスカウント業態のジャパン事業は、食品全般に加えて日用品が伸長し、10.4%増だった。
カワチ薬品の既存店は、前年の反動増と夏物商材の好調に加え、横浜ファーマシーが回復したこともあり6.9%増だった。既存店がプラスになったのは、増税の駆け込み需要があった2014年4月以来、1年1ヵ月ぶりとなる。
キリン堂HDの既存店は20.5%増だった。調剤が堅調に推移したことに加え、気温が上昇した日とチラシの配布が重なり、栄養ドリンクなどの販促対象品目が大幅に伸長した。
アインファーマシーズの既存店は4.2%増だった。調剤薬局を展開する医薬事業は、曜日周りの影響で平日の日数が前年比2日減のため処方箋枚数が1.2%減だったが、単価が5.5%増と上昇して4.2%増となった。物販事業はインバウンド効果もあり、客数3.1%増、客単価0.8%増の3.9%増だった。
日刊ドラッグストア2015年7月1日号より抜粋