日本スーパーマーケット協会(川野幸夫会長)は、7月1日付で任意団体から一般社団法人へ移行した。今期は消費税率10%時に導入が検討されている複数税率に反対することや、10年後のSMを展望した「シナリオ2025」の策定を重点施策として取り組む。また、共同利用型電子マネー「JSAマネー(仮称)」のプラットフォームを構築し、16年初頭をめどにスタートする。
11年6月、SMの将来の課題や展望をまとめた「シナリオ2020」を発表し、その中でITの活用や標準化の推進などで効率をアップすることが重要になるとした。物流クレートの標準化や流通BMSの普及、ネットスーパー、次世代販促などをテーマに勉強会やワークショップを開催してきた。そのひとつの取り組みでこのほど、共同利用型電子マネーの仕組みを構築した。5月に会員向け説明会を開き、現在5社程度が導入に向けて準備を進めている。システム改修などを含め利用開始までに6カ月ほどかかるため、16年始めをめどにスタートする。
NECがプラットフォームを構築し、資金管理は金融機関と連携する。統一システムを共同利用することで規模のメリットを創出し、手数料など運用コストを低減する。同時に、磁気型・IC型のカード種類の選択や、各社のポイントシステムとの連動、既存の電子マネーとの接続などを可能にした。サービス利用・資金管理手数料の合計は決済金額の0.3%程度でスタートし、導入企業の増加とともに低減する。2〜3年で導入企業の年商合計1兆円を目指す。
川野会長は、「会員企業で、競合する大手チェーンの電子マネーでお客さまの囲い込みが進んでいると相談され、シナリオ2020の研究会を中心に検討してきた。ローコスト、安全・安定性、拡張・柔軟性を重視して開発した。将来的には会員以外の企業にも拡大したい」と語った。
日刊流通ジャーナル2015年7月6日号より抜粋