内閣府が6月に閣議決定した「規制改革実施計画」では、健康・医療分野で「かかりつけ薬局」の制度化やリフィル処方箋の導入、スイッチOTCの拡大などを進める方針が明確になった。日本チェーンドラッグストア協会(JACDS、青木桂生会長)は、政策の受け皿となる次世代ドラッグストアの研究を進める。宗像守事務総長は、要指導医薬品の販売店を検索できるアプリの開発や、365日・24時間対応ドラッグストアの研究、検体測定室の普及に向けたガイドラインの見直しをおこなうと語った。
リフィル処方箋の導入検討を明記
「規制改革実施計画」の健康・医療分野では、厚労省がこれまで進めてきた医薬分業政策を継続しつつ、規制の見直しで患者の利便性向上を図る内容となっている。要介護状態でも住み慣れた場所で暮らせる地域包括ケアシステムの構築に向け、かかりつけ薬局制度を推進する一方、門前薬局に対する評価を見直す。また薬局のサービスと価格の明確化や、医薬分業政策の効果もおこなう。
焦点だった薬局の構造は先の答申のとおり、フェンスや公道などで病院・診療所と薬局を仕切る現行制度を改める。さらに、一定期間内に繰り返し使えるリフィル処方箋の導入や、(14日分を超える処方箋の場合に薬局で日数を分割できる)分割調剤の見直しの検討も盛り込まれた。
宗像事務総長は今回の「規制改革実施計画」の内容を評価し、「行政が進めるかかりつけ薬局の推進には、リフィル処方箋の導入が必要だった。最初に門前薬局で調剤を受けても、以降は家の近くの薬局で薬を受け取れるようになれば、利便性と安全性が高まる。1度に最大で3ヵ月分の薬をまとめて貰い、残薬の改善につながるだろう」と語った。
また「規制改革実施計画」は、スイッチOTCの拡大のため、検討プロセスの透明化や幅広い意見の集約する仕組みを構築するとしている。JACDSは、要指導医薬品や第1類医薬品の増加を見越し、スマートフォンなどでOTCの販売店を見つけられるアプリを今年の秋ごろにも公開する。
「現在はスマホでドラッグストアの検索はできても、希望の医薬品をどこで扱っているかは分からない。開発を進めているアプリは、リスク分類も含めて表示されるため、要薬剤師薬の販売店も容易に見つけられ、小売のチャンスロスも防げる」(宗像事務総長)
日刊ドラッグストア2015年7月7日号より抜粋