
セブン−イレブン・ジャパン(井阪隆一社長)は、7月中に免税サービス対応を全国の1000店に拡大する。先行している31店で売上アップにつながったことから、新たなレジシステムを開発し、サービスを拡大する。井阪社長は、「インバウンド需要はこれまで、百貨店や家電量販店などの大型店が中心だったが、24時間営業で海外発行のカードが利用できるATMを全店に配置するなど、利便性の認知度を高めることで、新しい消費の流れを取り込んでいく」と語った。
セブン銀行は07年、外国人利用の増加を見据え、海外で発行されたキャッシュカードやクレジットカード、デビットカードで日本円を引き出せる機能をATMに標準装備した。14年度の外国人利用は412万2000件(71.3%増)だった。利用増加に合わせ、12月をめどに海外発行カード利用時のATM表示画面や明細書、音声を従来の4カ国から12言語に対応を拡大する。
セブン−イレブンの免税サービスは14年12月に2店でスタートし現在、首都圏を中心に31店で導入している。売場では外国人観光客に人気が高い菓子や化粧品、日用雑貨など50アイテムをコーナー展開し、レジで免税手続きする。31店の消費税免税品の売上高は1日あたり平均7万円で、1人あたりの買上金額は1万円超になるという。
セブン銀行のATMを全店に配備しているほか、大半の店舗に無料Wi-Fiの「セブンスポット」を設置していることから、サービス導入店にとどまらず、さまざまな店舗でインバウンド需要を確認している。免税手続きを簡素化する新しいレジシステムを開発したことで、7月中に全国の1000店にサービスを拡大する。ホテルなどの宿泊施設近隣や、観光・名勝地、交通の要所に立地する店舗を選定した。
「インボイスの記入など、サービススタート時に1回あたり15分かかっていた手続きを5分以下に短縮できるシステムを開発したことで、サービスを拡大することにした。現状では取扱商品の幅が狭いので、もっとニーズを探っていかなければならない。新システムはどこの国の人がどういう商品を購入したかをデータでつかめるようにした。先行する店でさまざまなMDにチャレンジしながら、いろいろなメーカーとインバウンド対応型の商品開発を進め、旅行者の取り込みを進めたい」(井阪社長)
日刊流通ジャーナル2015年7月21日号より