ウエルシアホールディングス(水野秀晴社長)による、タキヤ、シミズ薬品との経営一体化の作業がすすんでいる。9月に統合するCFSコーポレーションも半年後に帳合を合わせ、イオングループのシナジーを最大化する。営業施策では24時間調剤を9月から本格スタートするほか、薬剤師のスキルを用い東京オリンピックと協力体制を築く。2016年2月期第1四半期の業績は、調剤の好調と旧子会社の改装効果で売上・経常利益とも計画を上回った。通期売上高はCFSを含まず4577億円を見込む。
タキヤとシミズ薬品は7月1日に帳合を一本化している。またタキヤは7月中に全店の店名を「ウエルシア」に変更し、シミズ薬品は既存の「ダックス」の店名を残しつつ、「ウエルシア」の表記を加えた看板にしていく。
今後は両店とも、調剤併設、深夜12時までの営業、化粧品のカウンセリング販売を基本とする「ウエルシアモデル」に移行し、個店ごとの収益力を高める。
9月に統合するCFSとは現在、一体化作業のスケジュールを詰めている。事業規模1200億円超と過去最大のM&Aであることを鑑み、統合後半年をかけてシステムを一体化し、来年3月をメドに帳合を一本化する予定である。
同時に親会社イオンと、商品やシステムの融合をすすめる。池野隆光会長は、「イオンの商材を導入することで、約8億円の原価削減の効果があると確認した。順次融合を図り利益を創出したい。イオングループ内の当社売上高は5%程度だが、経常利益の10%を稼ぐことも可能と見ている」という。
営業施策は、郊外の調剤併設型店で調剤の24時間対応を、今年2月から実験してきた。「実験を通じ様々なやり方が判ってきたので、9月から24時間対応を本格的にスタートする。当面は20店体制で検証を重ねたい」(池野会長)という。
このほか、薬剤師の新たなスキルとして注目される「スポーツファーマシスト」の育成をおこない、2020年開催の東京オリンピックを照準に、各種スポーツ競技に協力する体制づくりに取り組むという。
日刊ドラッグストア2015年8月4日号より抜粋