かましん(若井禎彦社長)は栃木県宇都宮市を中心に19店を展開している。普段使いのSMを追求し、鮮度感を重視した生鮮のインストア加工によって差別化を図り、品揃えの幅を広げてニーズの多様化に対応する。売場面積600坪で取扱品目数1万~1万2000アイテム、年商15億円を標準モデルとし、地域一番店を目指す。「売上規模ではなく、地域一番店の数が競争力になると考えている。厳格な基準で開設した店を着実に積み重ねていく」(若井社長)としている。

新日本スーパーマーケット協会などSM3団体はこのほど、都内で定例会見を開催した。かましんの若井社長がゲストスピーカーとして出席し、直近の取り組みについて語った。
かましんは1949年の創業で、67年にSM1号店の茂木店(芳賀郡)を開設した。95年にオール日本スーパーマーケット協会に加盟した。拠点の宇都宮市を中心に30㎞圏でドミナントを深耕し現在、栃木に18店、茨城に1店の計19店を展開している。14年度の売上高は260億円だった。
鮮度感を重視し生鮮のインストア加工を充実させる。全社平均でインストアベーカリーを含む生鮮・惣菜の売上構成比は50%超となっている。年間1店の新設を目安としており、直近で6月18日に栃木平柳店(栃木市)をオープンした。
若井社長は地域一番店の店数がチェーンストアとしての競争力の源泉という。
「週3~4回来店していただける普段使いのSMを徹底する。短期的な売上拡大より、永続的に成長できるチェーンを目指している。有店舗小売業なので、売上規模ではなく、地域一番店の数が競争力になると考える。そのため、出店の立地や敷地面積などの基準を厳格化している。妥協することなしに選定した店を着実に積み重ねていく。現状では人材育成などを考慮し、年間1店のペースを継続している」
店全体の完成度の高さを
生鮮・惣菜は差別化カテゴリーとし、鮮度感やきめ細かい商品づくり追求する。グローサリーはニーズの多様化への対応を重視する。
「グローサリーは価格競争になりやすく、特にNBのAランク商品は競合に合わせないとお客さまに見向きもされなくなる。ただ最近は生活者のニーズが多様化しており、これまでのようにチラシによる単品の価格訴求で客数増につながりにくくなっている。その分、定番の品揃えの重要性が高まっており、バランスを突き詰めて全体で売上をカバ
日刊流通ジャーナル2015年8月3日号より