ドンキホーテ・ホールディングス(大原孝治社長)は今期、各フォーマットの進化に取り組む。ニューMEGAドン・キホーテは食品の取り扱いを拡大し売上構成比を高める。同時に、ノンフーズは販売力を強化し、売上構成比は食品とノンフーズで5対5を目指す。ノンフーズはカテゴリーを細分化し、PB開発を進める。また、コンビニスタイルの驚安堂はフォーマットを再構築する。ドイツのディスカウントストア、アルディ(ALDI)をモデルとし、価格訴求を徹底するボックスストアを志向する。

驚安堂は、高齢化の進行で1世帯あたりの可処分所得が減少していくことを見据え、フォーマットを再構築する。ドイツのアルディをモデルとしたボックスストアを志向し、価格訴求を徹底する。7月、既存の梅島駅前店(東京都足立区)をリニューアルオープンした。
「従来の驚安堂は、弁当やおにぎり、パスタなどの中食やカウンターフーズ、サービスなどコンビニエンスストアを意識した売場づくりに価格訴求の要素を加えた。ただ、コンビニの利用シーンで価格の重要度は高くなかった。高齢化が進む西欧諸国ではディープディスカウントフォーマットが伸長している。梅島駅前店を皮切りにアルディをモデルとした新タイプを2店開設し、フォーマットを構築する。センター物流でドミナントを形成し、これまでのドン・キホーテとは逆のチェーンストア理論を徹底したフォーマットを目指す」(同社長)
青果・精肉・惣菜を導入しMEGA業態を進化

事業会社ドン・キホーテが運営するニューMEGAドン・キホーテの新たなモデル店として14年11月、深江橋店(大阪市東成区)をリニューアルオープンした。食品は直営で青果、精肉、惣菜を導入する。ノンフーズは20~30代女性をターゲットとしたトレンドファッションを強化し、衣料品はテイストごとにショップ風に展開する。同じモデルで15年2月に新世界店(同浪速区)を新設し、7月に箕面店(大阪府箕面市)と名古屋本店(名古屋市北区)をリニューアルオープンした。
「GMSやディスカウントストア各社が食品強化を進める中、ノンフーズの強化で独自性を追求する。非食品の強化によって食品の売上アップにつなげる。売上構成比は食品とノンフーズで5対5を目安とする。
食品は長崎屋を再生する過程で生鮮・惣菜の人材育成が進み、ノウハウを蓄積してきた。これまで加工食品の取り扱いだけにとどまっていた事業会社ドン・キホーテに移植し、少しずつレベルアップしている。
ノンフーズはトレンドファッションや家電小物など、PB戦略と連動し、小分類での専門性を高めたMDを追求する。これまでの価格訴求で単品量販型の商品は前期末までに継続するものと廃止するものを峻別した。これからの開発はミドルプライスゾーンの価値訴求型商品にシフトする。高級ブランドや絶対的な価格重視の部分はメーカーの商品を品揃えし、中価格帯で明確に価値の伝わる商品を開発することでニーズの多極化に対応する。
今期は食品・ノンフーズともMEGAドン・キホーテの新モデルを進化させながら水平展開することを重点課題に掲げる」(大原社長)
日刊流通ジャーナル2015年8月27日号より抜粋