マックスバリュ北海道(出戸信成社長)は2000年10月、札幌フードセンターと北海道ジャスコが合併して発足し、15周年を迎える。イオングループのSMとして、いち早く中食・即食の強化をはじめとした活性化を進めてきた。10年9月以降、既存店は堅調に推移している。またグループで初めて小型ディスカウントのザ・ビッグエクスプレスを開発した。マックスバリュ、ザ・ビッグとも新しいステージに移行する。9月に北海道地区のダイエーのSMを承継するのに続き10月、いちまると合併し、規模の拡大と同時に、収益の安定を目指す。

2000年の合併を機に、イオングローバルSCMのインフラを活用し、物流はほとんどイオン北海道と一体化している。低温と常温の2センターおよび情報システムをグループの資産として有効活用している状況だ。その後、08年4月にジョイと合併し、マックスバリュ、ザ・ビッグのグループ業態のほか、現在も札幌フードセンター、JOY、プライスマートなど、複数の看板を掲げている。
合併によって基盤整備にエネルギーを費やし、それがリーマン・ショックと重なったことで、業績が急激に悪化した。活性化に向け、惣菜、中食の強化、ディスカウント業態のザ・ビッグへの転換を進め、その成果で2010年9月以降、既存店はプラスに転じた。今年3月は前年の駆け込み需要の反動が現われたが、54カ月連続、既存店は前年をクリアした。4月以降、再び4%台の伸びをみせている。
食品中心のザ・ビッグを展開
ザ・ビッグはグループのほかの企業では、衣料品、ハードラインを取り扱うが、マックスバリュ北海道は食品に特化した独自のものをつくりあげている。前述のJOYは小型店が中心で価格訴求で支持されていたため、グループのほかの企業になかったザ・ビッグエクスプレスに転換した。現在、ザ・ビッグ12店、ザ・ビッグエクスプレス5店を展開している。
「ザ・ビッグは最低600坪の規模が必要だ。薄利多売がモデルであり、300坪前後のエクスプレスは駐車場、レジの回転数、ラインロビングに限界があり、売上が上限に達するのも早い。ただ、当社のザ・ビッグ全体の動きをみると、消費税増税後、伸びが高い。節約志向が根強いようだ。またディスカウント業態はSMと違って、年を追うごとに、商圏が広がり、客数が伸びている。それだけ、価格は魅力があり、優位性を発揮している」(青木直人経営企画部長)
現状の店舗数は76店で、今年度、売上高1000億円を確実視している。これに9月に承継し順次、再オープンするダイエー6店、10月に合併するいちまる14店が加わる。いまの既存店の成長を維持しながら、新しい20店のシステム変更、商品構成、売場の見直しによって、早期に軌道に乗せる。

日刊流通ジャーナル2015年9月3日号より抜粋