日本チェーンドラッグストア協会(JACDS、青木桂生会長)は、このほど常任理事会で、将来の成長に向けた基盤づくりのための重点活動目標を決めた。有資格者が常駐し、健康と美に関する商品・サービスを提供するドラッグストア独自の機能をベースに、社会的ニーズに応える業態へ進化を図る。24時間・365日営業店の全国展開に向けた研究や、調剤併設率100%を推進すると同時に、要指導薬や第1類の販売店、調剤併設店などの検索システムを構築し、生活者の便利性と業界の信頼性の向上を目指す。
重点活動目標は、「予防・医療・介護と高齢者・弱者・過疎地の買物の両立」「全国で展開するドラッグストアでの365日・24時間営業と医薬品の提供」「調剤併設率100%と在宅介護への寄与」「ドラッグストアの機能を活用した非保険のセルフメディケーション推進」「ドラッグストア業界と関係製配販企業の新たな成長」の5項目となる。
同時に、情報提供支援システムの整備も進める。要指導・第1類医薬品の販売店、AED設置店、調剤併設店、24時間営業店などを検索できる無料アプリの提供、健康食品や介護食品、ペットケア、指導・受診勧奨をするためのシステムの研究を進める。
例えばコンビニは24時間営業をおこない、一部店舗でOTCも販売するが、OTCの買い場としての認知度は進んでおらず、生活者が緊急にOTCを必要とする事態が生じても、速やかに入手できるとは限らない。今回掲げた目標は、24時間販売のドラッグストアを増やすとともに、簡単に探せるシステムを構築して定着を図る。
宗像守事務総長は、「すでに始まっていることを目標とするのではなく、個別の企業だけでは着手しにくいことを中心に掲げた。いずれも生活者の信頼性を高めることが狙いであり、すぐに収益に結びつかず、中長期的にビジネスチャンスとなる。補助金や保険適用の事業が優れていると考えられがちだが、そうした事業の実効性は低い。資金面で行政に頼らないことで、活動の自主性を堅持し、成果を出していきたい」と語った。
重点目標の実現のため、様々なプロジェクトも立ち上げる。自分で体温や脈拍、血圧などを計測するセルフバイタルチェック、機能性表示食品やスマイルケア(介護)食、AED、情報システムの普及を進める。これら活動はJACDSの予算だけでは困難なため、ドラッグストアMD研究会(DMS)と連携し、DMS推進会議の池野隆光議長(ウエルシアHD会長)の主導のもとですすめる。
日刊ドラッグストア2015年9月7日号より抜粋