ミニストップ(宮下直行社長)は、上期の既存店が0.2%増と前年をクリアした。店内加工FFが7.3%増と好調で、ソフトクリーム等のコールドスイーツや、フライヤー等のカウンターFFが牽引役となった。コンビニ部門の既存店は0.7%減と微減となったが、課題としていた米飯類は全店ベースで2.2%増と改善傾向がみられた。宮下社長は、「競合チェーンに対し遅れていた即食カテゴリーで、商品の変更を続けてきたことが数値の変化につながった。その傾向は第2四半期に入り、より顕著になった」と語る。
カウンターFFは、上期の販売額が11.3%増と好調に推移した。チキン系、フライドポテト、ちくわ天など全体的に底上げした。下期は鶏胸肉を使用した「フィレチキ」、「焦がし醤油チキン串」など、独自性を追求した新メニューを予定する。
カウンターFFは商品力を高めるだけでなく、店頭の陳列ボリュームを維持する取り組みを進めてきた。コンビニ部門の米飯も同様で、発注量を増やして機会ロスの削減に取り組んだことが成果につながっている。発注量の増加に寄与したのがチルド弁当などのロングライフ商品だ。
チルド弁当は、リニューアルによってブラッシュアップを続け、技術革新により寿司もロングライフ化した。下期はオムライス、野菜ちゃんぽんといったチルド商品の販売期間を3日間に伸ばす。
また、味つけなどの地域対応を進めたことも成果につながっている。上期は地域限定商品としておにぎり26品、弁当10品を開発した。下期は対象カテゴリーを広げていく。
商品担当の堀田昌嗣取締役常務執行役員は、「地区商品の開発は、販売エリアを限定した地域オリジナルのものと、全国商品の一部を変更して地区仕様としたものの2タイプで進めている。地元の商品として加盟店の販売意欲も高いことから、下期はパン、サラダ、麺類でも商品化していく」という。

即食カテゴリーの独自性を追求
今期の商品施策は、「新しい強みを創りだす」という基本方針のものと、顕在ニーズ、潜在ニーズのそれぞれに対し、既存商品のブラッシュアップと新規商品の開発を目指している。上期の好調カテゴリーはその成果だが、コンビニ部門のパンとカップデザートは課題を残したという。
「開発プロセスを見直しているところであり、下期中には改善傾向に変えたい」(堀田取締役)
また、コンビニ業界の再編で上位3チェーンへの集約が一段と進むなか、即食カテゴリーを中心に独自の商品開発を進め、規模のメリットとは異なるアプローチで加盟店の収益改善を目指す。
宮下社長は、「GMSやSMをみると、ナショナルチェーンは規模で勝るからといって、ローカルチェーンを攻めきれるわけではない。規模のメリットに限界があるのは、SMでは地域固有の品揃えと生鮮が重要だからだ。コンビニでいえば、即食カテゴリーがそれにあたる。このカテゴリーで独自性を磨くことが大切だ。それによって個店ごとの競争に勝ち、加盟店オーナーに対する本部の責任を果たしていく」と語る。
日刊流通ジャーナル2015年9月14日号より抜粋