ファミリーマート(中山勇社長)は上期、中食の主力カテゴリーの刷新に取り組んだ。3年計画による中食構造改革の一環で、商品改革と同時にベンダー工場の体制再編を進めている。また、発注・陳列・販促など店舗オペレーション全体の業務改革にもつながっている。この1年で登録商品の削減を進め、14年10月の5685品から、今年8月には4599品と約8割に集約した。新商品の導入率が向上し、商品の入れ替えが進捗している。

商品本部長と物流・品質管理本部長を兼任する本多利範取締役専務執行役員は、中食構造改革によってベンダー工場の収益力を高め、より積極的な設備投資につなげていくと語る。
「現在の協力工場はおよそ50カ所で、8割が総合工場となっている。少量多品種を作らねばならない総合工場では、なかなか利益を出せない。従来はドミナントが十分でなく、総合工場にせざるを得ない状況があった。17年度中に地方の7〜8工場を除き、温度帯別の専用工場に改める。これにより収益性を高め、HACCP(国際的な食品安全管理手法の基準)の取得など管理レベルを上げる。
再編のための投資は、当社とベンターを合わせ254億円になる見通しだ。工場の経常利益率は3%台を確保し、積極的な設備投資を可能にする。人手不足のなか、中食工場の自動化も進める。現在、約600名の人員を480名で回るようにする」(本多取締役)
登録アイテムを2割削減
中食の刷新カテゴリーでもサラダや調理パンなどアイテムを集約したケースがあったように、全カテゴリーで登録アイテム数の削減を進めている。商品の情報を整理することで、新規導入率の改善と、入れ替えによる品揃えの変化を進めることがねらいだ。14年10月時点で5685品あった登録商品は、今年8月には4599品になっている。
「新商品の導入率はもともと50%台だったが、今年8月には80%を超えるようになった。駅ナカなど特殊立地の店舗もあるなか、導入率は92%になれば実質的な100%に相当する。当社は昨年、1週間に平均150品の新商品を投入していた。その数は最大手よりも多いほどだが、年間で変わる店頭の品揃えは45%にとどまり、上位とは30Pほど差があった。変化が求められるコンビニで、品揃えが変わらないのは問題だ。今期は70%が変わると推計している」(同)
売場の変化に伴い、在庫回転日数は前年に比べ3日ほど短縮しているという。中食の構造改革に始まる取り組みは、全カテゴリーの発注や店頭展開に関わる改革につながっている。
下期は非食品の改革も本格化する。食品と同様、登録アイテムの絞り込みを進めつつ、品揃えの中身を変えていく。
日刊流通ジャーナル2015年9月25日号より抜粋