セブン&アイ・ホールディングス(村田紀敏社長)は11月1日、リアルとネットを融合した「omni7」(オムニセブン)を開始する。セブン-イレブン・ジャパン、イトーヨーカ堂、そごう・西武などグループ8社のネットサイトに横串を刺し、全国のセブン-イレブンなどグループの約1万9000店で留め置き、返品・返金、接客端末による御用聞きなどを実施する。セブン-イレブン・ジャパンはオムニセブンを便利さの進化を図るものと位置づける。現状のセブンミールのサービスを拡充し、ネット専用の商品を開発する。

下期の商品政策発表の席上で、セブン-イレブン・ジャパンの鎌田靖取締役商品本部長が明らかにした。オムニセブンは業態を越え、リアルとネットを融合した世界初の取り組みと称している。
「上質さと独自性で価値を追求する。またネット、リアルの双方で接客することで既存のネット通販と差別化を図る。セブン-イレブンとしてはネット用のオリジナル商品を開発するほか、リアルとネットの融合で信頼されるサイト、ハートフルサイトを目指す。グループ各社が独自に運営しているサイトを横断的に活用し、サイト上の接客も行う。セブン-イレブンの店頭で、受け取り・返品・返金を行い、ネットと商品・売場・接客を連動させる」(鎌田取締役)
ネットによる利便性、魅力度を高めるため、ネット専用商品を開発し、店頭のオペレーションを簡素化する。現在、セブンミールで接客端末による御用聞きサービスを実施しているが、オムニセブンによって、圧倒的な近くて便利さを提供していく方針だ。
店舗での留め置きは、そごう・西武のeデパートのメンズ、レディス、コスメ、スイーツ・フーズのほか、ロフト、アカチャンホンポ、イトーヨーカ堂など各サイトで支持の高い商品300万アイテムを取り扱う。18年度にグループで600万アイテム・売上高1兆円を目標としている。
セブン-イレブンはNBメーカーの協力を得て、ネット専用商品の開発に取り組んでいる。質にこだわった「金のおむすび」、チルドドレッシング、黒毛和牛と黒豚のハンバーグ、真珠のトウモロコシなどチルドでこだわり商品を提供する。またカルビーの北海道産の素材を使い製造から6日以内に届けるポテトチップスや森永製菓が東京駅のショップ限定で販売している「ハイクラウン」など、リアル店舗で提供できなかったものをネットでフォローする。
オペレーション面では1分以内の手渡しを実現するため、バーコードスキャンを基本としたシステムに変更する。また店頭で発注・予約を受け付ける御用聞き端末は当初6000店でスタートするが、来年6月までに全店導入する。
日刊流通ジャーナル2015年9月28日号より抜粋