アスクル(岩田彰一郎社長)のB to Cネット通販サービス「ロハコ」は、15年5月期の売上高が前期比64%増の199億円だった。12年10月にサービスを開始し、7月には累計利用者数が200万人を突破した。ターゲットとする働く女性の獲得を進めるため、8月にはスマホ用アプリをリリースして買物の利便性を向上させた。また、9月末からテレビCMを放映して認知度アップを図る。早期に売上高300億円を突破し、日用品のEコマース市場における売上規模№1を目指す。

ロハコは、グローサリーと生活雑貨を約6万4000アイテム取り扱う。アスクルの物流システムを活用することで、関東圏や近畿圏では一部エリアを除き午前10時までの注文を同日の午後6時以降に届ける。時間指定が可能なほか、送料は税込1900円以上の購入で無料となる。
サイトには、ロハコモールの名称で専門店が約30社出店している。専門店の商品もアスクルが仕入れたセンター内の在庫を発送するため、当日配送が可能だ。
LOHACO事業本部長の木村美代子上級執行役員は、Eコマース市場を嗜好品を中心としたものと、日用品を主体とするものに2分し、ロハコは日用品のセグメントで№1を目指すと語った。「Eコマースの第1世代は、嗜好品を中心にロングテール商品で強みを打ち出した。利用する端末はパソコンで、テキスト検索によって商品を探す。第2世代のEコマースは主にスマホを使い、日常使いの商品を、いつでもどこでもまとめ買いできるのが特徴だ。ロハコはこの第2世代で最速の成長を続けており、№1を目指していく。それを可能にするのが、オフィス通販の分野で20年かけてつくり上げた物流システムだ。注文を受けてセンターから出荷するまで、最短20分で行える。こうしたシステムがロハコのサービスを支えている」
8月末にリリースしたスマホ用アプリは、ビジュアルを重視した編集により、選ぶ楽しさやついで買いを促す工夫を行っている。
9月末に放映を開始したテレビCMは、「だいじに暮らす、を買うロハコ。」をテーマに、ターゲットである働く女性の共感をねらった内容に仕上げている。CMと合わせて様々なプロモーションを展開していく。
クリエイティブディレクターの岩津徹LOHACO編成本部統括部長は、CMのねらいについて「ロハコの認知を現状の39%から、キャンペーンによって70%に高めたい。ネット上でのロハコの検索を圧倒的に増やし、スマホアプリの利用につなげる」としている。
売れ筋の米、水で商品力を高める

サービスの認知向上と並行し、売れ筋カテゴリーではオリジナル商品の充実に取り組んでいる。夏には群馬県の嬬恋名水を完全子会社化し、「奥軽井沢の天然水」の取り扱いを本格化した。
また、10月14日から発送当日に精米した米の販売を始める。「ろはこ米」の名称で販売するもので、配送は最短で翌日からとなる。北海道の美唄・岩見沢エリアで栽培した「ゆめぴりか」の原料玄米を中心に、価格は2kg・税込930円、5kg・2280円と設定する。当面は1日限定100袋の数量限定品とし、保管しやすいようチャック付きのパッケージを採用した。
日刊流通ジャーナル2015年10月1日号より