スギホールディングス(杉浦広一会長)は今期(2016年2月期)、店舗数1000店、売上高4000億円を超える見通しだ。中期目標である売上高5000億円は、年間100店ペースの出店を柱として数年先には実現させるとしている。その時点の調剤、在宅医療の売上高は、全体の3割、1500億円を見込んでいる。この目標を実現するため、ここ数年間は、M&Aよりも、MD、物流 情報、人事など内部体制の強化を最優先させる。

杉浦会長は今後の経営方針について次のように語る。
「当社は過去、ジャパン、飯塚薬品の2社をM&Aによりグループ化した。だが、店舗フォーマット、社員の考え方、物流 情報システムなどの違いを乗り越えて経営統合する難しさを実感している。
このため最近3年間は、基幹システム、物流、人事制度など内部体制の強化に取り組んでいる。こうした内部体制の整備が終了するまでにあと2年ほどはかかる。
それまでは、M&Aよりも自力出店を優先させ、年間100店ペースで出店できる力をつけることに全力を挙げる。このため店舗開発要員も増やしている。
物流システムについては、これまでの外部依存体制から、物流センターを含めた物流全体のコントロールを自社で行う体制に切り換えつつある。売上高5000億円、さらに将来的に1兆円をめざすためには、こうした内部体制の強化は必ず乗り越えねばならない課題だ」
第2四半期決算、既存店好調で増収増益
スギHDの2015年第2四半期決算は、調剤を中心に既存店が好調に推移したことや、出店が順調に進んだことなどで増収増益となった。
売上高は7.5%増の2081億5600万円、営業利益は11.7%増の129億8500万円、経常利益は5.5%増の134億0600万円、純利益は5.4%増の80億6100万円となった。
荒利益率は、調剤が2.6P増の36.5%と全体を牽引し、全体で0.3P増の29.2%となった。販管費比率は、人件費が0.2P増の10.6%となったことなどにより全体で0.2P増の21.6%となっている。この結果、営業利益率は0.2P増の6.2%、経常利益率は0.2P減の6.4%となった。
売上高の内訳は、スギ薬局が8.4%増の1669億8400万円、ジャパンが3.8%増の392億6800万円、その他が7.4%増の19億0400万円となっている。
既存店はグループ全体で4.9%増と好調に推移した。このうち調剤は16.2%増、スギ薬局の物販は3.0%増、ジャパンは2.5%増となっている。
なお物販と調剤を合わせたスギ薬局の既存店は5.4%増で、客数で2.1%増、客単価で3.3%増とバランスよく伸びている。地域別では関東6.6%増、中部3.3%増、関西8.8%増となっている。調剤以外のヘルスケアは1.9%増、ビューティケアは1.9%増、ホームケアは4.8%増、フーズは4.2%増となっている。
調剤の売上高は18.1%増の328億0100万円、処方箋枚数は12.8%増の300万7412枚、処方箋単価は4.6%増の1万0907円となっている。なお在宅医療報酬は13.9%増の17億8300万円、在宅医療実施店舗は275拠点となっている。
日刊ドラッグストア2015年10月8日号より抜粋