ローソン(玉塚元一社長)は、10月末までに全店にセミオート発注システムを導入する。導入店では発注業務の時間短縮や、機会ロスの削減による売上・荒利増につながっている。新発注システムの活用を後押しする目的もあり、加盟店の廃棄ロスの一部を負担する新FCパッケージへの切り換えを進めている。8月末では前期末より3000店ほど多い約6300店に拡大した。合わせてSVによる指導体制を強化している。玉塚社長は、一連の取り組みはすべて店舗間の偏差を縮めることが目的という。
セミオート発注システムは、以前から取り組んできたポンタ会員データの分析を基に、エリアや店舗特性、購買行動の類型などを基に、品揃えと発注数量を推奨する。上期末までに7500店に導入し、発注時間は中食関連で44分ほど削減できているという。ドライや日配・チルドでは、品切れを4割削減している。機会ロスの削減が売上・荒利アップに寄与している。
「データの裏付けによる発注精度の高さは加盟店の信頼を得ており、発注で考えていた部分は機械に任せ、売場づくりに集中しようという傾向になりつつある。加盟店の仕事を変えているところだ」(玉塚社長)
セミオート発注に伴う廃棄リスクの懸念を払拭するねらいもあり、廃棄の一部や電気代の半分を本部が負担する新FCパッケージへの切り換えを進めている。10年に1回の更新を前倒しで進めることで、全店の半数にあたる6300店を切り換えた。
玉塚社長は、これらの施策の目的について「加盟店の偏差を縮めることで、顧客満足の最大化を目指す。偏差を縮めましょうと訴えても変わらないので、発注業務や指導体制、パッケージ内容やインセンティブといった仕組みを変える必要がある」としている。
商品力の向上も、売場や加盟店支援と連動した偏差縮小に向けたテーマとする。上期は各カテゴリーで中軸となるコア商品の育成を進めた。おにぎりは、これまで行っていなかった100円セールを実施した。カウンターコーヒーも、カフェラテを値下げしてトライアル喚起を図った。
「リード商品をつくると同時に、販促施策やCMの投下量を増やすことで来店動機を高めた。おにぎり100円セールはリピートのサイクルづくりに効果があると確認できたので、5月以降は定期的に継続している」(同社長)
日刊流通ジャーナル2015年10月20日号より抜粋