西友(上垣内猛CEO)の惣菜部門を担当する若菜(中村真紀社長)は、9月まで23カ月連続で既存店が前年をクリアしている。今期は第1四半期が7.0%増、第2四半期が4.2%増で推移した。なかでも美容・健康に注目したヘルシー系の弁当などが好評だ。11月6日に発売する「8品目のヘルシー弁当」(本体価格398円)は、日本糖尿病協会が監修し、低カロリー、低塩分などの特徴を持つ。中村社長は、「年代を問わず、健康商品への関心は高い。ヘルシー系弁当の象徴的な商品だ」という。
ヘルシー系弁当が好調、日本糖尿病協会の監修で新商品
中村社長は若菜の好調要因について、家庭の味や健康感を追求する商品施策のほか、夕夜間の強化や、時間帯別の売場づくりの進捗を挙げる。
「夕方5〜6時に向けて寿司や揚げ物、つまみなどをつくり込む体制を整えたほか、ピーク時にはフレキシブルに売場を変えている。おにぎりの場合、昼と夕方には可動式の什器を使い、レジ前など通過率の高いところに陳列してもう1品を提案している。全エリア、全時間帯で売上は伸びており、とくに夕夜間が好調だ。西友の客数が増加していることも要因になっている。若菜の惣菜を中心に購入する利便性重視のお客さまも、生鮮と一緒に購入するお客さまも、共に増加している」
今期は美容と健康を商品開発の重要テーマと位置づけている。日本糖尿病協会の監修による新商品は、健康テーマの付加価値を追求したものだ。
「惣菜への需要が高まるなかで、付加価値のついた商品がいっそう求められている。なかでも健康への関心は、年代を問わず高い。商品開発には欠かせない要素と考えている」(中村社長)
8品目のヘルシー弁当は、1食あたり464キロカロリー、食塩相当2.3g(関東エリアで展開する商品の成分値)となっている。糖尿病の罹患者やその予備群に訴求できる商品として、日本糖尿病協会の監修を受けて開発した。11月14日は世界糖尿病デーにあたることから、店頭では同協会の取り組みを紹介するPOPなどと共に、商品を通じて糖尿病予防の意識向上を図る。
弁当はトレイを6つに仕切り、煮物や2種類の雑穀米などが入り、メインは鶏肉のトマト煮となっている。食事の満足感を高めるため、メインの食材は肉料理にこだわった。
日刊流通ジャーナル2015年11月2日号より抜粋