関西スーパーマーケット(福谷耕治社長)は、これまでのプロトタイプである売場面積600坪型に加え、新たに300坪型の展開にも本格的に取り組む。昨年8月に移転新設した「久代店」(兵庫県川西市、売場面積300坪)が好調に推移していることから、兵庫県、大阪府、奈良県のドミナントエリアの密度を高めるために久代店タイプの展開にも挑戦する。
福谷社長は、「SMにとって新規出店は成長戦略を推進する上で最も重要な課題だ。今期は物件の関係で新規出店はないが、来期以降は年間3店から5店は継続して出店していきた。このため下期からは私の仕事の軸足を、商品開発から店舗開発に置くことにした。
当社のドミナント戦略は、兵庫県では伊丹市、川西市をメインに、神戸市にも出店していく。大阪府は、北摂エリアをメインに、豊中市、箕面市、尼崎市でも展開する。まだ奈良市に1店のみの奈良県では、生駒市なども候補に挙げている。
当社は、プロトタイプとしてはこれまで売場面積600坪を標準としてきた。だがここ数年の新店の中で、『久代店』がとくに好調に推移している。売場面積が300坪であっても、駐車場を充分に備えて出店すれば、損益分岐点が年商13億円から15億円であっても収益が確保できる見通しがついた。
例えば久代店の場合、最も生産性に問題がある青果について、産地から売場に陳列するまでをワンウェイでオペレーションできるように、陳列器具も含めた改革に取り組んでいる。
グローサリーについても、Aランク、Sランクといった売れ筋商品はフェイシングを広くとって売場を在庫として、在庫はできる限りバックヤードに置かない『バックヤードゼロ化』に挑戦している。このため納品頻度もこれまでの週5回を週1回にするなど、オペレーション改革を進めている」と語る。
このほか久代店では600坪型に比べて、生鮮、惣菜はそれほど売場を縮めず、グローサリーについては8000アイテムを6500アイテムに縮小するなど売場の拡縮をはっきりさせている。
日刊流通ジャーナル2015年11月6日号より抜粋