アルフレッサホールディングス(石黒傳六社長)は医薬品に関連する分野をターゲットに、事業領域の拡大と基盤強化に取り組んでいる。今期、セルフメディケーション卸売事業で茂木薬品商会(東京都中央区)、医療関連事業で日本アポック(埼玉県川越市)とアポロメディカルホールディングス(東京都豊島区)、医薬品等製造事業でアルフレッサ ファインケミカルを連結対象に加えた。主力の医療用医薬品等卸売事業を核に、広く医薬品に関連する事業連合体を志向する。
16年3月期までの中期3カ年計画で、医療・健康に関する商品・サービスを拡充し、医薬品関連の事業連合体への進化を目指している。今期、事業領域の拡大で4社を連結化した。
事業会社のアルフレッサ ヘルスケアは14年10月、マツモトキヨシホールディングスから茂木薬品商会を譲り受けた。OTCや健康食品を取り扱うノウハウや資産を活用し、ドラッグストアやGMSなどに向けたセルフメディケーション卸売事業の基盤を強固にする。
今期、医療関連事業セグメントを新設した。現状は08年に子会社化したアポロメディカルHDと、今年3月にヤオコーから譲り受けた日本アポックの調剤薬局2社を対象とする。このほか、医薬品等製造事業のアルフレッサ ファーマは14年11月、第一三共から医療用医薬品原薬製造の秋田工場を譲り受け、今年4月にアルフレッサ ファインケミカルとして事業を開始した。第一三共への原薬供給にとどまらず、自社の岡山製薬工場(岡山県勝田郡)での生産に活用し、将来的には新たな製造を受託し、規模と収益拡大につなげる。
「調剤薬局を積極的に展開することを目指しているわけでなく、医療の分野で幅広く商品・サービスを提供するグループを目指す」(石黒社長)としている。
あわせて医療用医薬品等卸売事業で、基盤の再構築を進める。成和産業(広島市)と常盤薬品(山口県宇部市)を統合し、4月にティーエスアルフレッサを発足し、16年4月1日付で中核のアルフレッサにアルフレッサ日建産業(岐阜市)を統合する。それぞれ中国地方と中部エリアの基盤を強化する。
また08年以降、医療用医薬品の中核拠点整備を進めており、アルフレッサは9月24日に大阪物流センター(大阪市北区)を稼働した。敷地面積7689坪、延床面積1万3792坪で、3万品目を保管し、出荷能力は月あたり500億円の規模である。センターに8支店を併設しており、大阪、兵庫、和歌山、奈良をカバーする。高機能なロジスティクスと迅速で効率的な提案につなげる。「08年の神奈川物流センター(神奈川県小田原市)を皮切りに、埼玉物流センター(埼玉県新座市)、愛知物流センター(愛知県一宮市)を新設し、大阪物流センターで中核拠点整備は完了した。大阪市中心部に位置し、営業力強化につながる」(同社長)
日刊ドラッグストア2015年11月12日号より抜粋