
経営統合することに正式合意したファミリーマート(中山勇一社長)とユニーグループ・ホールディングス(佐古則男社長)は4日、東京都内のホテルで会見し、新しい持ち株会社の役割や事業会社の戦略を明らかにした。9月1日付けで発足するユニー・ファミリーマートホールディングスは両社の経営資源を有効活用するための戦略を策定し、進捗状況を管理する。コンビニ事業はファミリーマートにブランドを一本化し、次世代型への進化を図る。ユニーはGMSのライフスタイイルマーケットストアへの転換を図る。
新会社の社長に就任する上田準二会長は、経営統合のねらいについて、次のように語った。
「コンビニ事業は5年、10年先を見据えたインフラ強化を進める。ユニーはGMS、SMで東海地区に強い基盤がある。いまGMSは、どこも苦戦しているが、復活は可能だと判断した。その中で、伊藤忠との連携で構造改革を進める。仕入、開発、物流、商流の幅広い改革によって、GMSを強化する。この2つの取り組みによって、新会社の強みをつくっていく」
自ら社長に復帰するのは、かつて両社の統合を提案し、破談になった経緯を理解していることから、その経験を活かせると判断した。「昨年3月にファミリーマートの経営からリタイアしようと思ったが、その時点でユニーとの統合の話しが浮上した。この一件は過去、私がユニーに声をかけた。なぜ実現しなかったのか、私が分かっている。中山社長、佐古社長と作業を進める中、両氏から新しい統合会社の社長を引き受けてほしいといわれた。一方、私もこれまでの経験を活かすべきだと考え、この2カ月内に関係者と話しをして決断した」
同時期に、伊藤忠出身の澤田貴司氏にファミリーマートの社長就任を打診した。「統合によって、コンビニは1万8000店の規模になる。経営体制として、海外を含めフィールドが広がり、中山1人ではマネジメントに相当、エネルギーを費やす。一方、ホールディングスとの一体経営で、私を補佐しなければならない。ガバナンスを強化するために、新しい社長を招聘しようという話し合いの中で、中山と伊藤忠の同期で交流があり、小売にも造詣が深い澤田氏にお願いした」(上田会長)
日刊流通ジャーナル2016年2月8日号より抜粋