イオン(岡田元也社長)は3月19日、大阪府堺市にイオンモール堺鉄砲町を開設する。同SCは南海本線・七道駅前の広場と屋根付きデッキでつながっているほか、複数の周辺駅と結ぶ路線バスの運行も予定している。車でのアクセスもよく、商圏は車で20分圏内の56万世帯・110万人と設定する。
イオンスタイル堺鉄砲町を核店舗とし、準核テナントとしてアパレルのH&M、スポーツ用品のスポーツオーソリティ、ペットのPeTeMo、アミューズメントのソユーゲームフィールド、天牛堺書店を誘致した。SC全体では約160の専門店を集積している。敷地面積は3万0855坪で、商業施設は3フロア構成、総賃貸面積は1万6940坪となっている。
モールはイオンで10カ所目のエコストア「スマートイオン」としている。さまざまな環境配慮技術を導入するなか、市と関電エネルギーソリューションとの協業で、初めて下水再生水複合利用モデルを構築した。堺市三宝下水処理場が下水を再生水にする過程で発生する熱エネルギーを、モール内の給湯熱源や空調用熱源などとして利用する。また、再生水そのものも膜処理装置で処理し、モール敷地内の水場や、トイレ洗浄水などとして活用する。
モールは外食サービスを強化ポイントの1つとし、1階のレストラン街には13店を集積し、3階のフードコートは同じく13店で構成、1000席分のスペースを確保した。また、別棟として市の歴史的建造物をモチーフとした赤レンガ館を設け、天井高11mの空間でカプリチョーザがビュッフェ形式の業態を展開する。
イオンスタイル堺鉄砲町は、ファッションフロアの中心機能として14の服飾雑貨コーナーを設ける。また、ウェルネススポーツをコンセプトとする直営の新しい専門店「スポージアム」や、オーダーシャツ専門店「ベラカミーチャ」を導入する。
住居関連では、堺市が刃物の製造が盛んなことを踏まえ、最大級の包丁売場を導入する。とぎ・名入れ・引き取りサービスも行う。
食品フロアは、量り売り惣菜のコーナーを「マイセレクトデリ」と、イオンスタイル板橋前野町(東京都板橋区)にも導入した「リワードキッチン」の2本立で展開する。専用釜のピザや、直火焼きで仕上げるチキン、ハンバーグなどのグリルメニュー、お好み焼きやかき揚げなど、地域性も踏まえてライブ感を強調したMDを展開する。
農産部門も板橋前野町に導入したジュースバー「デポ・デ・サンテ」を配置する。これらを食べるスペースとして、GMSの売場内に約60席のイートインコーナーを設ける。イタリアン関連の食材を集積した「ラ・ドロゲリア」は、売場内の厨房でつくったパニーニなどのほか、カフェやワインなども提供する。
生鮮部門は、MSCやASC認証の魚をコーナー化した「フィッシュバトン」や、タスマニアビーフをショップ形式で展開する「オーガスト74」など、最近の取り組みを導入している。
また、チーズコーナーを強化し、直輸入のパルミジャーノ・レッジャーノのほか、賞味期限の短いブラータチーズを毎週、イタリアから空輸して品揃えする。
<SC概要>▽所在地=大阪府堺市堺区鉄砲町1番地▽敷地面積= 10万2000㎡▽延床面積=13万5000㎡▽総賃貸面積=5万6000㎡▽駐車台数=2600台▽駐輪台数=2600台▽営業時間=イオンスタイル:午前9時~午後11時(食品フロア)▽従業員数=モール:2500名、イオンスタイル:700名▽モールゼネラルマネージャー=村上浩一▽イオンスタイル店長=長谷部寛
日刊流通ジャーナル2016年2月12日号より抜粋