上場SMチェーンの第3四半期業績をみると、規模・地域を越えて総じて好調に推移している。3ページの一覧表に掲載した31社のうち、減収となった企業は5社、営業減益は7社で、22社が増収営業増益を達成している。
2ケタ増収が3社であった一方、営業段階の2ケタ増益は17社だった。しかも過半数が20~60%台の伸長率となっており、収益面の改善が顕著に進んでいる。
第3四半期の段階で、営業利益が100億円を超えたチェーンは3社だった。このうちサンエー(102億円)は、SM以外の業態を含む実績である。SM業態だけで営業利益100億円を達成したのはヤオコー(138億円)と、惣菜子会社ライフフーズを含むヨークベニマル(120億円)である。ヤオコーの営業利益率は5.6%、ヨークベニマルは単体の営業利益が88億円で、営業利益率は2.9%となっている(ライフフーズを含む営業収益が開示されていない)。
既存店の売上増による好業績
好業績の要因として、既存店が総じて堅調なことが挙げられる。共通するのは1品単価のアップで、14年4月の消費税率アップ以降、1品単価の上昇トレンドが続いている。
1品単価のアップは、各部門の売上増に寄与している。SM3団体の15年暦年の統計によると、生鮮・惣菜4部門はいずれも既存店ベースで前年をクリアするなか、相場高が続いた青果、惣菜は4.0%増と伸長した。また、日配やグローサリーも前年を上回っている。売上の伸長に荒利率の改善も伴い、前述のような好業績につながっている。
日刊流通ジャーナル2016年2月17日号より抜粋