平型冷凍ケースやゴンドラ什器の拡張へ投資
ローソン(玉塚元一社長)は16年度、夕夜間の取り込みを重要テーマに掲げ、PB「ローソンセレクト」やカウンターFFなどでスーパーの代替需要となる商品を拡充する。生鮮・日配・デリカ・冷食を強化ポイントとし、平型冷凍ケースを増設することなどで売場を広げる。ゴンドラは本数を削減する分、什器を高くすることで全体の品目数は増やしていく。ショーケースや什器の設備投資は、第1四半期に集中させる方針だ。
スーパーの代替需要となる商品群は、生活支援のカテゴリーとして開発を進める。中核となるローソンセレクトは15年度、シリーズトータルで15.4%増と伸長した。16年度は内食に利用される惣菜、日配、カット野菜でシリーズ商品を拡充する。カット野菜シリーズは、ローソンセレクトに編入したうえで、従来通り土壌改善から取り組む「中嶋農法」などの差別化ポイントを訴求していく。
惣菜系ではスタンドタイプのレトルトパウチに加え、トレータイプの惣菜を投入していく。このうち筑前煮や肉じゃがなどの和風惣菜は、化学調味料を使用しないシリーズとして展開する。また、冷食でもローソンセレクトのシリーズを広げていく。
商品本部長の和田祐一上級執行役員は、「冷食では、主食系を強化していく。パスタや具入りの麺、米飯類などだ。素材系の冷食はSMの領域であり、コンビニには向かない。チルドで培ってきた主食系のノウハウを冷食にも活かしていく」という。
冷食の拡大に伴い、7500店規模で平型冷凍ケースを増設する。そのためゴンドラのスペースは削減されるが、150cmの什器を165cmに高め、ゴンドラの品目数を増やす。
SKUの増加で課題となるのは発注業務などの負担だが、全店に配備したセミオート発注によってフォローする。
「多くのSKUを扱う店の方が売上はいい。買上点数が増え、客単価アップにつながる。全店共通の基本商品として、15年度は1100SKUを推奨したが、16年度はさらに300SKU追加する。セミオート発注は、基本商品を確実に導入し、欠品を防ぐためのシステムだ」(和田本部長)
日刊流通ジャーナル2016年2月29日号より抜粋