
玉塚CEOはコンビニ事業、竹増COOはその他事業を統括
ローソンは、6月1日付で玉塚元一社長が代表取締役会長CEOに、三菱商事出身の竹増貞信副社長が代表取締役社長COOに就任する。今後、玉塚氏はコンビニ事業を中心にCEOとしてグループ全体を統括する。竹増氏は、成城石井やローソンストア100、エンターテイメント・サービス、海外展開など、主にローソン以外の事業全体を管轄する。玉塚社長は新体制のねらいについて、「激しい環境変化のなか、三菱商事を取り込んでグループの全体戦にしていく。この3〜5年でローソンを具体的に強くするためだ」としている。
新体制は玉塚社長が構想し、三菱商事との協議を経て実現したものという。
「事業会社ローソンとしての方向性を説明し、三菱商事の賛同を得た。CEO、COO制を復活させ、経営の範囲を広げる。市場環境はこれからの3〜5年が重要であり、三菱商事のリソースをもっと貪欲に活用する必要があると考えた。4月には三菱商事の社長に生活産業グループを統括してきた垣内威彦常務執行役員が就任する。非資源の分野を熟知した方であり、全力でローソンをバックアップしてくれるだろう。新体制にはとてもいいタイミングだ」(玉塚社長)
玉塚社長は、ローソンの経営について三菱商事と「一枚岩の全体戦」で取り組む必要があると強調する。その背景には、環境変化への危機意識がある。
「ローソンを強くするには掛け声だけでなく、具体的な取り組みが必要だ。仕組みを変え、仕事を変えなければ強くならない。環境変化のなか、コンビニのようなネイバーフッド型の店にはチャンスがあることは間違いないが、当社が適切に中身を変えられなければ、たちまちピンチに陥る。そのことへの危機感から、もっと三菱商事を取り込む必要があると判断した。環境の変化としては、ファミリーマートの最近の動きが1つある。また、EコマースやSM、ドラッグなど業態の垣根を越えた競争環境の変化もある」(同社長)
竹増副社長は、環境変化のスピードに対応し、確実に実行する体制づくりを目指すという。
「今期スタートした『1000日全員実行プロジェクト』は、変化対応・基本の徹底・将来へのチャレンジの3分野で構成する。次世代コンビニをつくり上げるため、実行を続けなければならない。業容の拡大に向けた新体制だが、やみくもに出店したり、本業の強化につながらないM&Aを仕掛けるわけではない。まずは加盟店の競争力を高めることだ。そのうえで、1店舗ずつ丁寧に出店していく」(竹増副社長)
日刊流通ジャーナル2016年3月30日号より抜粋