ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.Holdings、社長 上田真マルエツ社長)が設立されて1年が経過した。この間、商品や資材の共同調達、共同販促などの推進で「数億円のシナジー効果が発揮された」(上田社長)としている。一方、広報・IR、経理・財務など管理部門の機能集約も進んでいる。情報システムについては、今期から5ヵ年計画で統合に向けた課題の整理を進める。4月からは課長クラスを対象とした人材交流もスタートさせた。
上田社長は、「物流の統合については、各事業会社の商流が大きく異なるため、現段階では、それぞれが異なるシステムで動いている。このため早期の統合は難しい状況だ。
一方、情報システムについは、各社のシステム基盤やアプリケーション領域を精査し、どこまで統合できるのかを5ヵ年計画を作成し、タイムスケジュールを組んで進めていく」と説明する。
また藤田元宏副社長(カスミ社長)は、「会計処理や勤怠管理など同じパッケージで進めている比較的容易な部分から統合を進める。但し、事業会社固有の商品調達や商流、さらに商品構成などについては、無闇にシステム統合すると各社の特徴が消されてしまう。このため各社の良さを引き出せHDとしてのプラットフォームを構築していく」と語る。
将来の部長級を共同で育成
なおU.S.M.Holdingsでは既に、「ICTビジネスデザイン室」を設置し、各事業会社のICTに関する課題整理をほぼ終えた。今後は、グループのICTシステム統合に向けた方針策定に取りかかることにしている。
一方、今後の商品開発、商品調達については、「商品デザインタスクチーム」を設置し、HDとしての新たなPB商品の開発に取り組む。
さらに4月から、3社共同で将来の部長クラスを育成する教育もスタートさせた。また実務を熟知している課長クラスの人材交流も4月から開始している。
「コンセプトや概念の共有化はお互い出来ている。これからは人材交流によって、必要に応じ、実務的なノウハウを習得させる。目的は、どうしても必要な機能の補完であり、人事体系の上での人材養成である」(上田社長)としている。
日刊流通ジャーナル2016年4月19日号より抜粋