アークス(横山清社長)は15年度決算で売上高が5000億円を突破した。1兆円の実現に向けマインド&アグリメントの精神で連携を加速する。その一環で、2月に小樽・余市に13店を展開する丸しめ志賀商店の事業を継承した。道東アークス、ベルジョイスのグループ内の企業再編、PCの機能をもつ石狩センターの増強に加え、SM業界で最先端の情報システムの開発によって、1兆円に向けたインフラ整備を進めている。また異業種との連携でサンドラッグと合弁会社を設立し、フード&ドラッグの新業態を開発する。
丸しめ志賀商店はかつて北海道シジシーのメンバーで、中核企業のラルズは小樽・余市の後志(しりべし)地区へは出店しなかった。「昨年末に事業譲渡の話しがあり、年明けの1月6日にわれわれの傘下に入れることを発表した。2月5日、正式に全従業員と店舗を引き受けた。現在13店舗で売上高78億円だが、かつて130億円を売り上げていた。後志本部を新設し、ラルズの社員を常駐させ、従業員教育を含め、やり直している。システム統合だけでも大変で、4月から順次、ラルズのシステムにつなげている。今年度、黒字予算を組んでおり、われわれの力で100億円を見込んでいるマーケットに基盤をつくった」(横山社長)
13店のほとんどは札幌道央の生鮮の中核となる石狩センターから供給する。ただキャパシティを越えるため、機能を増強する。15年度は10店の新設で過去最高の108億円を投じた。今年度もセンター投資を含め、103億円を計画している。また1兆円に対応する情報システムの開発にも取り組んでいる。「5年計画でSM業界をリードするような最先端な基盤をつくれないか、プロジェクトで取り組んでいる。この2~3カ月のうちに方針が出てくるだろう」(横山社長)
サンドラッグとの合弁会社設立は横山社長と才津達郎会長の10年の交流がベースにある。「医薬品売場は青森のユニバースが8店、エルディが北海道に26店展開している。売上高15億円強の規模である。食材と健康のための医薬品をいっしょに販売するフード&ドラッグということで取り組んできたが、ドラッグはあまり儲からない。一部、赤字の店舗もある。トータルで利益が出ればいいだろうということでやってきたが、気がつくと大手数社による寡占化が進んでいる。われわれも取り扱う雑貨は、価格の差が大きくなっていた」(同)
グループで展開する前述の34店を新会社に移管し、アークスのSCに入居しているテナントのドラッグストアの契約更新時に新会社と入れ替えることも視野に入れている。SMの日用雑貨の強化にも取り組む。大きな方向として、両社のノウハウを取り入れた新しいフード&ドラッグの展開を構想している。
日刊流通ジャーナル2016年4月27日号より抜粋