良品計画(松﨑曉社長)は、16年2月期で営業収益が3000億円を突破した。中期計画の売上目標を1年前倒しで達成している。国内事業の好調に加え、中国をはじめとする海外での事業拡大が成長を加速させている。15年度末の国内店舗数は414店(13店増)、海外は344店(43店増)となった。16年度は国内で429店(15店増)、海外は403店(59店増)を計画している。海外では新たにインドに進出する。国内は優先的に開発してきた大型店に加え、都市部の駅周辺で小型店を増やしていく。
16年2月期連結業績は、営業収益が18.2%増の3075億3200万円、営業利益が44.4%増の344億3900万円、経常利益が22.9%増の327億円、当期純利益が30.6%増の217億1800万円だった。経常段階では為替差損が発生しているため、営業利益に比べ伸長率が低くなっている。
海外事業は営業収益1090億8000万円(40.7%増)、営業利益170億4200万円(97.8%増)と大幅に伸長した。東アジア地域が営業収益の8割近く、営業利益のほぼ全てを稼ぎ出している。牽引したのは中国で、既存店は通期で20%増だった。中国は新設33店、閉鎖1店で、店舗数は160店となった。中国が海外総店舗数の5割近くを占めている。
欧米地域は不採算店の閉鎖などの立て直しを進めており、15年度は4億円の営業赤字だった。
「欧州の既存店はフランスを除けばプラスで推移している。構造改革が進めば利益に貢献するようになる」(松﨑社長)
国内事業は、営業収益1984億4900万円(8.6%増)、営業利益170億6200万円(16.0%増)だった。部門別の売上高は、衣服・雑貨が831億円(11.5%増)、生活雑貨が1234億円(14.0%増)、食品が166億円(前期並み)だった。食品は、ファミリーマートへの供給高が減少したことが影響している。ファミリーマートへの供給高は、1.3%減の58億円だった。
ウェブの直営ネット通販は、18.1%増の156億円だった。単体売上2266億円に占める構成比は6.9%となっている。松﨑社長は、「ネット通販の比率は7%くらいを考えている。ウェブの役割は顧客とのコミュニケーションツールであり、重要なのは店舗への送客を促すことだ。ネットで購入した商品を店で受け取る比率も年々、高まっている」としている。
来期に向けベーシック商品を強化
既存店は客数2.6%減、客単価7.7%増の4.9%増だった。松﨑社長は、客数の回復を今後の重点課題に挙げる。
「商品をより理解していただくことで、客数を伸ばす。商品開発を伴う必要があるので時間はかかる。品質・価格で生活の基本となるような商品を各カテゴリーでつくっていく。秋冬には間に合わないので、来期を見据えた取り組みになる。生活に欠かせない商品を充実させることで、客数増につなげたい。今期は、スマホアプリのMUJIパスポートによる情報発信で、送客を進めていく」
日刊流通ジャーナル2016年5月12日号より抜粋